就労・生活支援の業務で得た気づき 「この間、言ったやん!」の忠告→相手に“刺さっていない”証拠 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

就労・生活支援の業務で得た気づき 「この間、言ったやん!」の忠告→相手に“刺さっていない”証拠

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 福祉関係の企業の代表は、障がいを持つ人々らの就労や生活の支援に携わるなかで、自身の発言や行動について、変化や気づきがあったと明かします。

金本一晃さん(株式会社ニューデイ代表取締役)

 中学時代にはボーイズリーグで切磋琢磨し、高校時代は野球部でキャプテンを経験。大阪商業大学でもプレーするなど、学生時代は野球に打ち込んでいたという、金本一晃さん。

 社会人になり、人材紹介業に従事するも、障害福祉事業を手掛ける経営者との出会いをきっかけに、自身も福祉関係の事業に参入。当初は大阪と九州の福岡・鹿児島で活動していましたが、コロナ禍で大阪の事業が打撃を受け、一時は九州に専念。そこでは刑務所の出所者の生活や仕事先を支援する取り組みも行っていたそうです。今春からは再び大阪に移り、グループホームの運営や生活支援など障害福祉関係の業務を進めています。

 就労継続支援事業所(A型・B型)にも関わるなか、障がいを持つ人々の業務について、ミスしないための仕組みづくりでは、アプローチ=「教え方」に矢印を向けるようにしているといいます。

「ある意味で、自分もまだ偏見はあるかもしれないですが、障がいを持っているからこそ、丁寧に説明できるというか。たぶん自分の後輩とかだったら『おまえ、もう、これは言ったやろ!』となってしまいがちですが、福祉で接しているのもあって、何度も説明もしますし、ミスしても大丈夫なことしか基本的には任さない」

 そのうえで、福祉の仕事をするようになってからは、「(人に)優しくなったと思います」と、金本さん自身にも変化があったようです。

「言葉遣いもそうなんですが、『前にも言ったやろ!』とかは、もう言わんとこうと。そこは自分のなかで受け入れています。『この間、言ったやん!』『この間、教えたやん!』とか、普通の人でもそうですが、それは通じないなと、やっているなかで(気づいた)。『この間、教えたアレやけど、覚えてる?』と聞いても、『忘れた~』と平気で言われることもあるので。『忘れた』は、まだかわいいほうですが」

 何度も同じことを伝えることについて、「つまり(本人に)刺さってないんだと思います」と、金本さん。「子どもが怒られるときもそうですよね。靴をそろえて家にあがりなさいと何回言っても、並べる意味を分かってないので忘れる。なので、例えば『そこに靴がバラバラにあって、おばあちゃんが靴を踏んで転んでけがをしたらどうする?』と。そういう思い出があれば、たぶん子どもも靴を(並べるために)よけたりすると思うんです」と、具体例をあげながら、『伝える・教える』の本質について、自らの経験をもとに説いていました。

「大阪で生活支援を始めたばかりですが、今後は受け入れ人数を増やすために物件を増やしていくのと、就労支援も必ずやろうと思っています」と、今後の展望を明かした金本さん。

「今、小さな会社がどんどん潰れていっているなか、自分たちが就労という形で利用者さんをたくさん集めて、下請けでできる仕事を回してもらいつつ、協業というか、様々な企業さんのサポートをできたらいいなと考えています」と、障がいを持つ人と社会とのつながりを強めるために動きたい思いも語っていました。

※ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』2024年9月2日放送回より

金本一晃さん(中央)と、『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう‼︎』パーソナリティーの田中大貴さん(左)と林歳彦さん(右)
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