日本において食事の回数は1日3食が一般的です。「朝食は早朝に食べる」「昼食といえば12時に食べるもの」というイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。ところがピラミッドやナイル川で知られる国・エジプトでは、食事の時間帯が定まっていません。朝食を昼に食べたり、昼食を夕方に食べるということも多分にあるそう。エジプトのビジネス展開やエジプト進出をサポートする「EGYPT LABO (エジプトラボ)」にてトータルコーディネーターをつとめるアブデルアール佳子さんに、実際のトコロを教えてもらいました。
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アブデルアールさんによれば、基本的にエジプトでは食事の時間帯が遅い傾向が。「例えば休日は12時頃起きて朝食、昼食を17時〜20時頃にとるという家庭は多いですね。また、昼食の時間が遅く夕食は簡素なものか食べない人もいますし、職場で昼食を食べず帰宅してから16時~17時ごろとる人もいます」とのこと。
なんと朝食を夕方にとる人も珍しくないそう。変則的な食習慣が当たり前なので、エジプトでは朝食メニューを13時まで提供しているカフェやレストランも多々あるとのこと。また、昼食の時間がきわめて遅いため、食事回数は日本と比べると少ないそう。
「人にもよりますが、基本は1日2食です。昼食の時間が遅いためそのまま夕食を食べずに寝る人もいますし、21時〜22時頃に簡素な夕食を食べ就寝という人もいます」とアブデルアールさん。さらに、「朝食は紅茶だけ派、休日は朝昼兼用でパン・ミルク・フルーツを、夕食にはスープ・サラダ・肉料理・デザートとがっつり食べる派などさまざまなパターンが存在します」とのこと。もちろん日本でも食事の時間は家庭ごとに異なりますが、ここまで変則的なケースは珍しいのではないでしょうか。
「食事時間が変則的になった起源は古代エジプトまで遡ることができます。そもそも古代エジプト人は1日2食が基本だったそうで、その習慣が現在のエジプト人にも引き継がれているようです。彼らには『何時になったら食べる』という決まりはありません。お腹が空いたら食べるという本能の赴くまま、感覚を大切に生きている人が多いと感じます」(アブデルアールさん)
ちなみにエジプト人は「夜型」がとても多いのだとか。これについてアブデルアールさんは「特に休日は夕方から動き始める人が多いですね。モールやレストランも0時過ぎまで営業している店が多く、夜が一番賑やかです。小さな子どもたちも深夜まで平気で起きて遊んでいますよ」と説明。
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このようなエジプト特有の時間感覚を「エジプシャンタイム」と呼ぶそうです。独特なエジプシャンタイムに他国から訪れた駐在員などは戸惑ってしまう人も多く、日本の時間感覚でいるとストレスに感じるケースも。アブデルアールさんは、「特にビジネスの場ではスムーズに進むことの方が少ないかもしれません。エジプトでうまくやるには、気長に待つスタンスが重要です(笑)」とコツを教えてくれました。
(取材・文=つちだ四郎)
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