ラジオ関西『サイケトリップストリート』27日に放送1800回 ニッチな音楽 休まず届け続け35年 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

ラジオ関西『サイケトリップストリート』27日に放送1800回 ニッチな音楽 休まず届け続け35年

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 ラジオ関西(兵庫県神戸市中央区)の番組『サイケトリップストリート』(毎週日曜、午前5時~)が、2024年10月27日で放送1800回を迎える。元オリコン大阪編集長で音楽評論家のマグナム石井氏(74)がDJを務めるマニアックな音楽番組として、35年の歴史を刻んできた。

ラジオ関西『サイケトリップストリート』
ラジオ関西『サイケトリップストリート』

 マグナム石井こと石井誠氏は京都出身。同志社大学時代にバンド活動を展開していた(※1)。卒業後、オリジナルコンフィデンス大阪総局に入社し、78年からオリコン大阪編集長を務めたのち退職。さまざまなキャリアを重ねつつ、現在は音楽評論家、ラジオDJなどとして活躍中で、関西の音楽業界で知らない人はいないほどの重鎮とされる。執筆業では、日本経済新聞への寄稿や雑誌『ぴあ』(2011年休刊)のコラムなどで知られる。併せて会社経営者の顔も持つ。

 音楽は「クラシック以外オールジャンル」(石井氏)に精通しており、殊にロックに並々ならぬ情熱を抱く。番組名の「サイケ」は、自身が影響を受けた“サイケデリック・ロック”から取り入れたものだ。

スタッフと談笑するマグナム石井こと石井誠氏
スタッフと談笑するマグナム石井こと石井誠氏 元オリコン大阪編集長で、音楽評論家、DJ、文筆家などとして幅広く活躍

 その熱意や豊富な知識、相手を問わぬ率直な物言いから、メディア露出が少ない有名ロックミュージシャンが、関西へ来た際に石井氏には挨拶に訪れるとの逸話もある。本人は「ただ、顔を見に来てくれる感じちゃうかな」と謙遜するが、他にも「また怒られにきました」「厳しい意見に落ち込みましたが、あれからイイモノを作って持ってきました!」とやって来るアーティストがいる事実に、誰に対しても分け隔てなく、評価もダメ出しも本音で伝え続けてきたという石井氏の築いた信頼がにじむ。

 そんな石井氏が『サイケ~』を立ち上げたきっかけは、80年代以降の新FM局の登場だった。バイリンガルのDJが流行曲を紹介する傾向が目立った当時、「流行りものでは飽き足らない人もいるはず。他にない、“30%のマニアックな層”に届ける番組を」と考え、「昔から洋楽に理解のある放送局」(石井氏)としてラジオ関西に打診した。

 そして35年前に放送がスタート。「Keep On Rockin’!」「No Future!」などを謳いながら、パンクロック、ヘビーメタルを軸として独自視点で選んだ楽曲に、愛ある辛口トークをまぶして届けている。節目の回にミュージシャンのかまやつひろし氏や旧友でもあるばんばひろふみ氏らをゲストに招いたこともあるが、「1曲でも多く紹介する」(石井氏)原則は放送開始当初のままだ。

 背景には、石井氏自身が大の音楽マニアであることが挙げられる。保有音源はLPレコードだけで1万枚以上。シングルレコードやCDも合わせると数万枚に上り、それらの保管場所確保のためにと“蔵”(別宅)を建てたほど。それだけに、番組の選曲にも心血を注ぎ、音源は100%自身で持ち込む。

持ち込んだ音源を手にスタッフと進行を確認する石井氏
持ち込んだ音源を手にスタッフと進行を確認する石井氏
今も手書きにこだわる曲目表
今も手書きにこだわる曲目表
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サイケトリップストリート | ラジオ関西 | 2024/10/27/日 05:00-05:30

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