昨今、グローバル化の促進に伴い、需要が高まっている英語教育。子どもたちに幼少期から身につけさせたいという親が、プレスクール(プリスクール)やインターナショナルスクールに通わせるケースも増えているようです。その現状などについて、神戸でプレスクールを運営する会社の代表がラジオ番組で明かしました。
神戸・三宮で、未就学児などを対象に、保育をしながら英語指導を行う「スターブレインズ インターナショナルスクール」。英語教育に熱心な共働き世帯や外国人居住者のニーズに対応し、マリスト国際学校、聖ミカエルインターナショナルスクール、カナディアンアカデミーなど主に神戸のインターナショナルスクールへ進学するための幼児教育に力を注いでいるプレスクールです。
そのスクールマネージャーを務める末次咲子(すえつぐ・さきこ)さんは、入園児の現状について、次のように語ります。
「いまは0歳から早期にとか、妊娠中の方、(子どもにまだ)お名前がついてない段階ででも願書を持ってくる方もいる。昔は外資系企業のご子息が多かったのが、最近では英語を話すのに『義務教育の流れでは難しい』と判断した人が、『幼児からの自由な時期にストレスなく身につけさせたい』というのがある」
プレスクールへ関心が寄せられる1つに、インターナショナルスクールの“ハードル”の高さ。末次さんは、「関西のスクールだとわりと入れると思うんですが、入ってから苦労されるケースが多いですね」といいます。日本の一般的な学習スタイルと異なったり、春・夏・冬だけでなく秋にも休みが設けられることもあって、「わりと保護者のサポートが必要とされる」と、子どもだけでなく、実は親の負担も大きいようです。
「保護者に負担をかけない英語教育を目指している」という同園。末次さんは、「日本人や中国人のお子さんが(生徒として)たくさんいますが、英語はスクールに任せて、家では母国語で会話してくださいと伝えている」と、家庭に配慮。それでも、「進学先からは『両親が英語ができなくても、(本人は)できるということはあるんだね』と言われる」と、その成果に胸を張ります。
末次さんの子どもも、インターナショナルスクールや欧米での学びを経て、ハンガリーの国立大学の医学部へ進学。その経験を踏まえて、「日本でも働くことができて、ヨーロッパでも働くことができることを目標にしている日本人のお子さんが増えている」と、実感をコメントします。「過去には、日本での仕事がしにくいかなと、インターナショナルスクールを断念するケースがあったと思うが、いまはリスクよりも幅のほうが広がっている。英語さえできれば(国内外で活躍できる)ジャンル的には増えている」と、英語の必要性を説きます。
ちなみに、自身の子どもを育てるうえで、「いろんな国の子どもたちと一緒に小さいうちから過ごさせたい。だから、英語はあくまで後付け」だったと、多文化共生を重んじる末次さん。その思いは、同園の運営にも継承。「文化の理解など、私どもスクールでも、アラビア語、フランス語もやっているし、イスラム教徒の生徒や先生もいる。なので、宗教にはこだわらないスクール方針をたてている」。
「ほとんどウチのスタッフは日本語が話せず、英語を話す。事務局とかは日本語を話せるスタッフが中心なので、保護者のサポートはできる」という同園。「生活のなかで、トイレにいくとき、ごはんにいくとき、いま先生が何を求めているかなど、(子どもたちは)すべて英語で対応しているので、そこから入ると、0歳から2歳は、勉強という意識はない」と、園内での日常の環境を英語にしていることで、自然と身についていくと、末次さんは話します。
ただし、懸念点もあるそうで、「子どもが(英語で)悪い言葉を言っていても、それが(家庭内で)悪い言葉なのかわからないこと。東京出身の私が関西に来た時と一緒ですね(苦笑)」。