数々の役を演じ、「日本の一人芝居の第一人者」と呼ばれる俳優・イッセー尾形が、このたび、ラジオ番組に出演。演劇への思いを明かしたほか、今年1年かけて全国をまわっているツアー「イッセー尾形の右往沙翁劇場」への意気込みを語った。
一人芝居シリーズ「右往沙翁劇場」では、出演はもちろん、作・演出までのすべてを一人で担っている。
同作への思いについては、「自分の責任になると、責任重大になる。自分じゃなくて、バーテンなど、そのとき演じている役のせいなんだと思ってやっています」と胸中を明かした。
これまで、コメディからシリアスまで幅広い役を演じてきたイッセー尾形。番組パーソナリティーの清水健(フリーアナウンサー)から“役の演じ分け”について尋ねられると、自身のこだわりについてこのように回答した。
「求められているものはわかりますが、あまのじゃくのせいか反対のほうにいってしまう。コメディであればシリアス、シリアスであればコメディに……」(イッセー尾形)
さらに、「演じ分けの“意識”については、“モノ”にある」ともコメント。その真意については、「カツラ、メガネ、衣装など、自分の気持ちよりも物理的なものに頼っています」と説明した。
芝居のネタは、生活のなかで発想することもあるのだとか。「寝起きや風呂に入る瞬間、歯みがきをしているときなど、生活の一部で思いつきますね」と話したうえで、「『右往沙翁劇場』神戸公演では、より変化球の演技を披露する」と意気込んだ。
「おもしろいと思うものは?」という質問に、イッセー尾形は「底力」と回答。
「切羽詰まったときに、人間はどう対応するか。その瞬間に独特の力が出ます。そのときに誕生するアイデアを大事にしてきたな、と思います」と、独自の目線で“演劇”への思いを語った。
※ラジオ関西『Clip木曜日』より