日に日に寒さが増すこの季節。より良い睡眠をとるには、寝具をうまく使って“温かさを最大限”にする必要があります。姫路市にある「白矢ふとん店」の4代目かつ、睡眠環境・寝具指導士の白矢純平さんに快適に使いこなすコツを聞きました。
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白矢さんいわく、温かさを高めるには布団と毛布の重ね方、それも順番がかなり重要なのだとか。では、どの順で重ねると一番温かくなるのでしょうか?
「上から『掛けふとん→体→毛布』の順にすると一番温かくなります。冷たい空気は下に溜まりやすく、冬場の底冷えを防ぐためにも毛布を体の下にします」(白矢さん)
もっと温かくする方法もあると白矢さん。「保温性の高い敷パッドを組み合わせると、布団に入った瞬間から温かく寝ることができます。また、室内の湿度に注目することもポイント。特に冬場は加湿器を利用して湿度が50~60%になるように調節すると、快眠にもつながります。就寝時に毛布が動いて苦手.....という方には、掛けふとんカバーと毛布が一体化された『毛布カバー』もあるので、ズレる心配もありません」とのこと。
睡眠中の温かさを保つには、布団をふかふかな状態に保つことも大切だそう。しかし、布団は傷んでくるとボリューム感やソフト感がそこなわれます。長持ちさせるためにはどうすればよいのでしょうか?
「布団生地の傷みや汚れを防ぐため、カバーは必ず使用してください。干すタイミングは、天気が良く乾燥した日で湿度が低くなる午前10時~午後3時がベストです。そのとき紫外線で生地が傷む恐れがありますので、カバーを付けたまま干すことをおすすめします。干し時間は1~2時間程度で、片面だけだとダニが反対側へ逃げてしまうので両面行います。ふとん叩きで強く叩く行為は生地や詰め物を痛める恐れがありますのでやめましょう。ホコリを取り除くように軽くはたく程度で大丈夫です」(白矢さん)
収納環境も大切だそうで、「寝具の一番の敵は湿気です。押し入れ内も適度に乾燥させることが需要です。ふとん圧縮袋に長期間保管すると、布団の嵩高(かさだか)がなくなってしまうので注意が必要です」と話していました。
しかしながら、どれだけ大切に使っていても、布団のへたりは避けられないと白矢さんは話します。「綿のお布団を日干ししても、ふわふわ感が回復しなければ“打直し”を勧めます。掛けふとんで5年、敷ふとんは3年くらいが目安ですね。今では羽毛ふとんのリフォームも多くなっており、どちらも新品同様に仕上がります」とのこと。
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寒い冬を乗り越えるためにも、布団を重ねる順番を意識するだけでなく、布団を大切に長く使うことに気を付けることが大切です。
(取材・文=迫田ヒロミ)
※ラジオ関西『Clip』2024年12月3日放送回より