世界文化遺産・比叡山延暦寺(滋賀県大津市)を総本山とする天台宗は10日、宗内最高位の大樹孝啓(おおきこうけい)・第258世天台座主(100)が、高齢に伴う体調不良を理由に2月1日付で退任すると発表した。
大樹座主は兵庫県姫路市出身。書写山円教寺長吏(住職)を経て2021年11月、前座主の死去を受け、天台座主としては最高齢(当時97歳)で就任した。
兵庫県出身で、かつ県内の天台宗寺院で住職経験者の座主就任は初めてだった。す
天台宗務庁によると、最高位の天台座主は、任期の定めがない終身職だが、次の順位の探題(次席探題)に譲ることができるという。
生前退任は、2007年以来18年ぶり。
大樹座主は2023(令和5)年3月、11年にわたる祖師先徳鑽仰大法会(そしせんとく・さんごうだいほうえ)を締めくくる総結願(そうけちがん)法要で大導師を務めた。
また2024年7月には八坂神社(京都市東山区)の祇園御霊会で営まれた「八坂礼拝講」の19年ぶりの再興にも関わった。