サッカー・J1のヴィッセル神戸は、13日に神戸市内で「ヴィッセル神戸 30周年~2025新加入選手・ユニフォーム発表会~」を行い、新加入選手らが意気込みを述べました。
神戸・ハーバーランドの神戸新聞松方ホールで行われた同イベント。ユニフォーム発表に続いて行われた新加入選手の発表会では、吉田孝行監督とともに、DF本山遥選手(ファジアーノ岡山→)、MF橋本陸斗選手(東京ヴェルディ→)、GKウボング・リチャード・マンデー選手(福知山成美高校→)、DF山田海斗選手(ヴィッセル神戸U-18→)と、2026シーズンからのトップ昇格が内定したヴィッセル神戸U-18のMF濱崎健斗選手(※「崎」=たつさき)、そして、1月10日に加入が発表されたばかりのDF小池裕太選手(横浜F・マリノス→)が登場しました。
なお、1月7日に加入が発表されたブラジル人DFカエターノ選手については来日前ということで欠席。発表会の翌日・14日に来日し、15日の練習からチームに合流した様子が、クラブのSNSに掲載されています。
J1での3連覇、アジアクラブナンバー1を目指すなか、シーズン序盤の2月から8連戦も組まれるなど、過密日程を強いられるヴィッセル。吉田監督も「昨年同様に2チーム分の戦力が必要になってくるし、ここにいる加入してくれた選手たちがレギュラー争いに加わってこないと目標も達成できない」と、新戦力への期待も強調。
イベントのMCを務めたクラブのエバンジェリスト・槙野智章さん(元日本代表DF)からは「これで選手補強は終了なのか」と鋭い質問もとぶなか、「僕からは答えづらいが……」と吉田監督は苦笑しつつ、「監督としてはまだ必要かなと思っている」と本音ものぞかせていました。
会見後の囲み取材で楽天ヴィッセル神戸株式会社の千布勇気代表取締役社長は、「キーとなる既存のプレーヤーの契約延長がオフシーズンのテーマだった。そういった選手が幸いながらほぼ出ず、契約更新できたことが、最大の収穫かなと思う。ベースとしては吉田さんのサッカー、既存のメンバーがいるなかでの、足りないところ、もうちょっと変化が欲しいところを補強した」と補足。MF山口蛍選手、DF菊池流帆選手、DF初瀬亮選手と、これまでチームへの貢献度が高かった選手の流出があったとはいえ、FW大迫勇也選手、FW武藤嘉紀選手、DF酒井高徳選手をはじめ、J1連覇を支えた現有戦力がほぼ残留できたことを前向きにとらえていました。なお、千布社長は、ウインドーが閉まるまでは、状況に応じて戦力補強含めて、編成は考えていくことも記者陣の前で明かしています。
チームの新たなスパイスとして期待される新加入選手たち。サイドの即戦力として活躍が待望されるのは、横浜FMや鹿島アントラーズ、セレッソ大阪などで活躍してきた小池選手です。「素晴らしいチームでチャレンジできることがうれしい。お手本となる選手がたくさんいるので(技術など)吸収していきたい」という新20番は、外から見る神戸のイメージについて「練習の強度や、一人ひとりのモチベーションが高い」ことを挙げ、「攻撃的なサイドバックとして、クロスや、スピードにのったオーバーラップに注目してほしい」と話していました。
「7年ぶりに神戸のエンブレムをつけられることにワクワクしている。タイトル獲得に貢献できるよう頑張ります!」とサポーターに誓ったのは、アカデミー出身の本山選手です。ヴィッセル加入を先に伝えた選手は「大樹!」と、U-18で同期の佐々木選手の名を挙げました。岡山がJ1昇格を決めたとき、佐々木選手とユニフォーム交換をしようという話をしていたそうですが、本山選手がヴィッセルに加わって2人はチームメイトに。このたび、本山選手が佐々木選手から22番を受け継ぐことになり、本山選手いわく「ユニフォーム交換に近い感じ」になりました。
「レベルの高い選手たちから吸収して貢献できるように頑張りたい」というのは、東京ヴェルディ時代、中学3年生でJデビューを飾った経験を持つ橋本選手です。自分のプレースタイルで見てほしいところは「運動量、クロス、ドリブル」ということで、ポジションは「どこでも強みを出せるが、サイドバックやサイドハーフで出たい」と気合い十分のようす。
「アカデミーからお世話になっているので、結果で恩返しできるように頑張る」という山田選手。トップ昇格を伝えられたときには素直にうれしかったという192cmの身長が魅力の生え抜きDFは、ユースのコーチから「『岩波拓也選手たちのようになれ』と言われてきた」と、これまでトップで活躍してきたアカデミー出身DFに続くよう指導を受けてきたそう。自身の目標は「テツくん」と、小学校時代も同じチームだったという山川哲史選手の名を挙げ、新リーダーとしても期待される山川選手の背中を追いかけたい思いを語っていました。