昨年11月の兵庫県知事選で、斎藤元彦知事がPR会社にSNSでの選挙活動を有償で頼んでいたとして刑事告発された問題をめぐり、告示前、斎藤陣営の広報担当者が神戸市議に対し、「SNS監修はPR会社にお願いすることになった」とのLINEメッセージを送っていたことを市議がこのほど明らかにした。その件について斎藤知事は15日の定例記者会見で、「広報担当者がそのようなメッセージを送ったことは把握していない。市議の投稿内容を見ていないのでコメントできない。公職選挙法に抵触するという認識がないことに変わりはない」などと述べた。
14日、上原みなみ・神戸市議(無所属)が自身のユーチューブチャンネルでLINEメッセージについて公表した。上原市議の動画によると、告示前の昨年10月5日、同市議は斎藤氏と広報担当者と3人で面談。その際、上原市議が「県民に理解してもらいやすい動画配信が必要。撮影や編集をお手伝いできる」と申し出たという。すると「動画編集できるスタッフがいないので助かります」と言われ、試しに撮影してほしいと頼まれたため、その場で動画を1本制作。ところが翌日、広報担当者から「SNS監修はPR会社さんにお願いする形となりました」というLINEメッセージが届いたという。
会見で、記者から質問された斎藤知事は「市議が投稿した内容を私は見ていない。コメントする状況にない」と回答。経緯について「その人には選挙前に1度会った。私が選挙に挑戦しようとする中で、『応援したいです』とのことで、ざっくばらんに話をした。応援してもらうことはありがたく、当時私も事務所の立ち上げからどうやってやっていくか一生懸命やっていた時期だった」などと説明した。広報担当者が送ったというLINEメッセージについては「把握していない」とし、「対応は代理人弁護士にお願いしている」「公職選挙法に反することをしたという認識はない」とくり返した。