拉致被害者 神戸の有本恵子さん父親・明弘さん死去「取り戻したい、しかし恵子にも事情が」96歳 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

拉致被害者 神戸の有本恵子さん父親・明弘さん死去「取り戻したい、しかし恵子にも事情が」96歳

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 北朝鮮によって1983(昭和58)年、当時23歳で拉致された神戸市長田区の有本恵子さんの父親、明弘さんが、2月14日、老衰のため死去した。96歳。

 すでに葬儀と告別式を終えている。

明弘さんはアメリカ・トランプ大統領と2019年5月に面会して拉致問題の解決を求める手紙を送り、その後「全力を尽くす」という書簡を受け取った〈2020年1月12日 神戸市長田区の自宅・恵子さん60歳の誕生日に ※撮影・ラジオ関西コンテンツニュース部〉

 恵子さんはロンドンでの留学を終えてヨーロッパを旅行中の1983(昭和58)年に消息を絶った。“よど号ハイジャック事件”のメンバーらによってデンマークのコペンハーゲンに誘い出され、そこから北朝鮮へ拉致されたとされる。

 明弘さんは妻の嘉代子さんとともに、外務省や警察庁などに何度も足を運び、安否確認を求め続け、2002年3月に政府に拉致被害者と認定された。

安倍首相(当時・右端)と面会した拉致被害者家族会の飯塚繁雄代表、有本明弘さん(左から2人目)(2020年2月14日・首相官邸 画像・関係者提供) 

 北朝鮮政府は、同年9月17日の日朝首脳会談後に、「恵子さんは1985年12月に同じ拉致被害者の石岡亨さんと結婚、翌年娘を生んだが、1988年11月4日にガス中毒で子どもを含む家族全員が死亡した」と説明。

 しかし、それを裏付ける証拠はなかった。

 日本人拉致被害者に関しては、この時、蓮池薫さんら5人が帰国したが、2002年以降、新たな帰国者がおらず進展がない。

有本恵子さん 今年(2025年)で65歳に

 当時を振り返った明弘さんは、ラジオ関西の取材に対し、「恵子が死亡したという情報は非常に不確かで信用できない。それならば、娘を生き返らせるために闘うことにした。それが取り戻すということだ」と訴えた。

妻・嘉代子さんの葬儀を終えて会見する明弘さん「涙は出るけど、言葉が出ない」と落胆〈2020年2月6日 神戸市内〉

 嘉代子さんは2020年2月に亡くなり、同年6月には拉致被害者、横田めぐみさん(失踪当時13歳)の父、滋さん(享年87歳)が亡くなった。拉致被害者の親世代で健在なのは、めぐみさんの母・早紀江さん(89)だけになった。

 明弘さんと嘉代子さんは、恵子さんとの再会を果たせなかった。

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