変化する印刷業界 今までは「印刷すれば完了」→デジタルは「結果も重要」 地域の印刷会社の実情 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

変化する印刷業界 今までは「印刷すれば完了」→デジタルは「結果も重要」 地域の印刷会社の実情

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 最近はペーパーレス化が進み、新聞の折り込み広告なども減っているため、時代に即した対応が求められている印刷業界。地域の老舗印刷会社も新たな取り組みで活路を開いている。担当者に話を聞いた。

 神戸市長田区で広告・デザイン・印刷を取り扱う会社、株式会社藤原広告。50年前に先代が広告代理業として神戸市中央区で立ち上げ、当初は「個人を対象に、個人が描いた漫画を本に仕上げる、いわゆる同人誌を作成する作業を担って、数十部ほどの小ロットのものを手がけていました」と語るのは、同社の代表取締役社長・藤原章憲さん。そこから個人以外も幅広く請け負うようになったそうだが、印刷まで全て一貫して行っていたため、印刷機を置く場所を確保する必要が生じ、25年ほど前に長田区に移転したという。

株式会社藤原広告の代表取締役社長、藤原章憲さん
株式会社藤原広告の代表取締役社長、藤原章憲さん

 紙媒体ではこれまではチラシを中心に扱っていたが、新聞の発行部数の減少に伴い、チラシの発行部数も陰りが見えている。そのため、今ではチラシに代わって、ポスターやパンフレットの取り扱い量が増加。取引先の中には学習塾もあり、問題集などの冊子を手がけることも多い。

 最近ではデジタルの広告も扱うようになったという。検索サイトやSNSでのバナー広告などに対応するように努め、実績はこれからとはいえ、今まさに伸びていっている分野だと明かす。

「印刷を中心にしているときは、どのような印刷機械を使うかが重要だったんですが、デジタル部門になってきますと、やはりどのような人材を確保したらいいのかというのが大きな問題になってきています」と藤原さん。

 デジタル部門は変化が早いため、今使える技術が数年後には使えるかどうかわからないそうで、「この変化に会社としてどうついていけるかが重要だ」と分析していた。

印刷業界も、デジタル対応が求められる時代に

 他にもこれまでとの違いとして、今までは印刷をすれば仕事は完了していたが、デジタルの広告は結果まで追いかけていく必要があるという。これは閲覧数などの結果がはっきりと出てくるためで、マーケティングの要素も加わってきているようだ。

 最後に藤原さんは「この業界は、今まで作業は人だけがやっていましたが、最近ではAIを絡めることも出てきております。人の力とAIの力をうまいこと組み合わせながら、お客様にスピーディーに提案できるようにしていきたい」と話していた。

株式会社藤原広告の代表取締役社長、藤原章憲さん(写真左)とラジオ関西パーソナリティの三上公也氏
株式会社藤原広告の代表取締役社長、藤原章憲さん(写真左)と、ラジオ関西パーソナリティーの三上公也氏

※ラジオ関西『三上公也の朝は恋人』より

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