兵庫維新の会は26日、2025年11月の兵庫知事選期間中に政治団体「NHKから国民を守る党」党首・立花孝志氏に面会、情報提供した岸口実県議を除名、増山誠県議を離党勧告とした。
2人はいずれも斎藤元彦・兵庫県知事に対するパワーハラスメントなどの疑惑を審議する兵庫県議会の文書問題調査特別委員会「百条委員会」に所属。
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問題となったのは、いずれも知事選期間中での行為。
増山氏は選挙への影響を避けるため事前に非公開としていた百条委の音声データを、当時知事選に立候補していた立花氏に提供したもの。
岸口氏は、一般の男性とともに立花氏と面会。百条委の別の委員4人を「黒幕」と主張する文書を渡したことが発覚した。
このうち、“主犯格”とされた委員は2025年1月に死亡した。自殺とみられている。
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兵庫維新の会が諮問機関として置いた党紀委員会は当初、岸口県議を離党勧告、増山県議を除名とする案を挙げていたが、金子道仁代表はこの日、「結果の重大性を」強調した。
維新の会の内規では、処分のうち除名が最も重く、離党勧告が2番目に重い。一定期間勧告に従わない場合は除名となる。
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岸口氏に対する除名処分について金子代表は、「県議団団長(当時)や、百条委副委員長という公人の立場で真偽不明の文書を第三者に渡した社会的責任は重大」と指摘。
増山氏については、「百条委メンバーの立場で秘密保持に抵触する行為を行ったことは、議会人として法令遵守意識が全く足りない」と説明、「処分の差はどちらが重大な責任を負っていたのかによる」とした。
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処分を受け岸口氏は「(自身の)当時の公的な立場を考えると致し方ない。党に対し申し立てをするつもりはない」と話し、今後については「辞職すべきという声と、今後も頑張れという声もあることを鑑みて、当面無所属で活動する」と述べ、辞職は否定した。
増山氏は「しっかり受け止め、反省している」と述べ、今後は無所属で活動をするとしたが、今夏予定されている参院選で、立花氏率いるNHK党から出馬オファーを受けていることについて否定した。