『日展 神戸展』 六アイで23日まで 作品総数は537点 今年目立つのは“平和への祈りの作品” | ラジトピ ラジオ関西トピックス

『日展 神戸展』 六アイで23日まで 作品総数は537点 今年目立つのは“平和への祈りの作品”

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 六甲アイランド(神戸市灘区)内の「神戸ゆかりの美術館」「神戸ファッション美術館」の2館において、3月23日(日)までの期間、日本最大級の総合美術展『第11回 日展 神戸展』が開催中です。同展示会について、「神戸ゆかりの美術館」および「神戸市立小磯記念美術館」の館長を務める岡奏正さんに話を聞きました。

日本最大級の総合美術展『第10回 日展 神戸展』

 日本最大級の総合美術展である『日展』の歴史は、1907(明治40)年の文部省展覧会、略して『文展』からはじまりました。以降、『帝展』『新文展』などに名前を変えて開催されることもありました。戦後は公益社団法人となり、日本美術展覧会、通称『日展』へと名前を変え、現在に至っています。

 今年秋には、国立新美術館で本展の開催が予定されており、総数およそ3000点におよぶ作品が一堂に展示されます。

 同展は日本の主要都市を巡回する形で開催。その年の特選作品のほか、日展の所属会員の優れた作品のなかから選りすぐりの作品が展示されます。さらに、入選作品のなかから、兵庫・大阪・奈良・和歌山在住の作家たちの作品が“神戸日展”として展示されます。

 日本画・洋画・彫刻・工芸美術・書の5科から構成される、日展。神戸会場で展示される作品総数は537点にも上り、内訳は日本画70点、洋画が94点、彫刻43点、工芸美術73点、書257点となっています。

「神戸ゆかりの美術館」(神戸市ホームページより)
「神戸ファッション美術館」(神戸市ホームページより)

 岡館長は、「日展では、スタンダードな日本美術の現状が一望できるといえるのでは」と話します。「『日展には破天荒な作品はない』というレッテルが貼られることもありますが、実際はそんなことはなく、作家たちは常に新しいことにチャレンジし続けています」とし、「まずは、自身の感覚に合う“推し”を見つけるのがおすすめの楽しみ方」と説明しました。

 岡館長いわく、「巨匠たちと一般入選者が同じ壁に並ぶのが、“作品の前の平等”」とのことで、「537分の1の推しを見つけることが大切」と熱弁しました。

 ちなみに、館内では写真撮影も可能だそうです。

 岡館長の考える“いい作品”とは、「いままで見たことのない新しい美意識や世界の発明をふんだんにもっている作品で、プロ・アマチュア関係なく、技術とすぐれた才能のあらわれていることが必要」とのこと。「今年は、熱田守が王子動物園のオランウータンを描いた特選作品が推し」なのだそうです。

 今年は、戦争・災害・病気・犯罪など、社会を不安に陥れる要素の影響を受けた“平和への祈りの作品”が多いそうで、「自分と同じ時代を生きる芸術家が、どのようにいまを表現しているかを見てほしい」といいます。

 同展は、高校生以下は入場料無料。来年については、この3月1日にリニューアルオープンした大阪市立美術館での展示が予定されているため、神戸での日展はいったん今年で見納めとなります。

※ラジオ関西『サンデー神戸』より

「神戸ゆかりの美術館」「神戸市立小磯記念美術館」の館長・岡奏正さん(写真左)、『サンデー神戸』パーソナリティーのクマガイタツロウ(同右)

(2025年2月9日放送)

◆「第11回日展 神戸展」
会期 2025年2月15日(土)~3月23日(日)
開館時間 10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日 月曜日
入館料 一般1200円、大学生・65歳以上600円、高校生以下無料(学生証、生徒手帳など要提示)
・大学生は学生証、65歳以上は年齢が証明できるものをそれぞれ要提示
・障がい者手帳またはスマートフォンアプリ「ミライロID」などの提示で無料
「第11回日展 神戸展」(神戸市HPより)

◇『サンデー神戸』
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