2か月以上のウインターブレイクを経て、3月から再開した、国内女子サッカープロリーグ「2024-25 WEリーグ」。1日に行われた第12節で、INAC神戸レオネッサは、ホームでちふれASエルフェン埼玉に1-0と勝利し、後半戦を白星でスタートしました。この一戦のINAC神戸について、元なでしこジャパンの川上直子氏が、自身がパーソナリティーをつとめるラジオ番組で感想を述べました。
リーグ中断期間中に、なでしこジャパン(日本女子代表)DF守屋都弥選手がアメリカNWSLのエンジェル・シティFCへ移籍。絶対的な右の翼が抜けたなかでの戦いとなったINAC神戸でしたが、新たにそのポジションに入ったDF井手ひなた選手が、前半13分、味方フリーキックからヘディングで合わせてゴールを記録。その後、チームは追加点こそなかったものの、Jリーグでも実績のある樋口靖洋氏が新監督に就任した相手を零封し、勝点3を獲得しました。

この一戦で、殊勲の井手選手とともに、ディフェンスラインで奮闘したのが、リーグ中断期にINAC神戸の一員となったDF太田美月選手です。
大商学園高校(大阪)ではキャプテンを務め、今冬の第33回全日本高校女子サッカー選手権大会ではチームのベスト4入りに貢献。育成年代の日本女子代表にも名を連ねる期待のセンターバックは、2月に高校を卒業したばかり。18歳の背番号24は、INAC神戸で初の公式戦となった今節、いきなり先発のピッチに立つと、守備での踏ん張りだけでなく、攻撃面でも好フィードからチャンスの起点になるなど、活躍が目立ちました。

その太田選手について、この試合のプレーぶりを見た川上氏は、「守屋選手が残っていたらベンチ(控え)だったかもしれないが、守屋選手がアメリカに行ったことで、1つ空いたポジションのチャンスをモノにした。どんどんチャンスは拾っていかないと」と述べたうえで、「素晴らしい体格に恵まれているし、堂々としたプレーだったと思う」と称賛。
そして、「ここから経験を積んで、なでしこジャパンを目指してほしい。(守備の)センターのところはまだ空いていると、私は思う。熊谷紗希選手(なでしこのキャプテン、ロンドン・シティ・ライオネス/イングランド)も年齢を重ねてきているし、そういう面ではチャンス。まずは石川璃音選手(三菱重工浦和レッズレディース)に追い付け追い越せで、INACにおさまらずどんどんアピールしてほしい」と、若きホープにエールを送っていました。

ちなみに、1日正午から神戸総合運動公園ユニバー記念競技場で行われたINAC神戸ホームゲームの入場数は、586人。同日の午後3時からノエビアスタジアム神戸でヴィッセル神戸のJ1ホームゲームが行われた影響もあったとはいえ、寂しい数字でした。