茶の湯文化を大成した千利休の出身地・大阪府堺市は、大阪・関西万博会場で5月10日~13日、参加無料の“大茶会”を開く。千利休が人々を分け隔てなく茶でもてなした歴史を踏まえた企画で、堺市の関係者は「国内外からたくさんの人に気軽に参加してほしい」としている。
「日本の美しさの本質や源流の再発見につながる、堺ならではの体験を届けたい」との思いを込めた取り組みで、大阪府の市町村が連携して地元の魅力を発信するイベント「大阪ウィーク」の一環。


屋外のポップアップステージ南では、茶道三千家による伝統的な野点や実演のほか、和洋の華やかな音楽ステージ、美しい和傘や行灯(あんどん)の展示とライトアップも実施。10日には「堺親善大使」の歌舞伎俳優・片岡愛之助さんが登場する。
屋内のギャラリーEASTでは、一流ブランド店の装飾などで注目されている竹工芸アーティスト・四代田辺竹雲斎氏=堺市出身=の作品、自然の草花などを観賞しながらの「アート茶会」や映像と音楽を駆使したイマーシブ(没入)体験も行われる。アート茶会では気鋭の陶芸家らの茶わんを使用。日本文化の美を五感で味わえる開放的な空間が広がる。

イベントの様子をSNSに投稿した人を対象に、堺市の老舗和菓子店6店の商品を日替わりでプレゼント。同茶会について堺市の担当者は「千利休も当時は現代アーティストだった。令和の今、もし万博で千利休が茶室をつくるならどうするかをイメージした」と話す。
野点は順次案内で予約不要。アート茶会は当日、整理券を配布する。来場者全員に、ホテルの宿泊補助券(1万円分)など堺市内で使えるクーポンを進呈するキャンペーンも行う。





