青山商事株式会社(本社:広島県福山市)が行った『2025年春「オーダースーツに関する意識調査」』によると、女性全体の約25%が“メンズスタイル”でスーツを仕立ててみたいと考えているという、なんとも興味深い結果が出たといいます。
なぜそのような傾向があらわれたのか、昨今の“女性のスーツ事情”について同社広報部サブマネジャー・濱野結衣さんに詳しく聞きました。
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そもそもメンズスタイルの定義とは「男性向けのファッションや外見のスタイル全般」だと濱野さん。「レディーススーツに比べ、肩幅が広くウエストや腕回りの絞りが少ない、そして体のラインを拾いすぎないシルエットが特徴。印象としては『かっこいい』スタイルになります」。
同社の調査によると、メンズスタイルのオーダースーツに関心がある女性は「デザイン・サイズ感・オプション」に魅力を感じているとのこと。このように、メンズスタイルへの関心が女性の間で高まっている背景には何があるのでしょうか?
「時代背景が関係していると分析します。この数年、普段のファッションにおいてもメンズ・レディースの垣根がなくなってきており、いわゆる『ジェンダーレス』というスタイルへの意識が高まっている……これが1つの理由ではないでしょうか」(濱野さん)
また、昔と今で考え方が変化してきていることも要因であると考えられるのだそう。
「ビジネスウエアの価値観が変化してきています。これまでスーツは『仕事をするための制服であり消耗品』という考えが主流でしたが、コロナ禍をきっかけに、セットアップスーツ(上下別)や機能性スーツなど仕事服の選択肢が増えてきました。その中で特別な商談やプレゼンの日に着る『勝負服』として捉える人も増えてきたと感じます。特に、好みにカスタマイズでき体にぴったりのオーダースーツは、まさに“気持ちをアゲてくれるアイテム”。これも人気の理由の1つかと」(濱野さん)

実際にメンズスタイルのスーツを選ぶ人の中には、祝い事・成人式・入学式用として仕立てる方が多いそう。「お祝いのシーンでは着こなしの決まりがなく、自由度が高いからこそメンズスタイルで仕立てているのではないかと感じています」と濱野さんは話します。



