世間でよく話題になる「持ち家・賃貸、どっちがいいのか論争」。それぞれのメリットとデメリットについて、「株式会社三建」（兵庫県・加古川市）のマーケディング・ラボ主任の西ひとみさんに詳しく聞きました。
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【持ち家のメリット】
なんと言っても、住まいが「資産」として残ることです。住宅ローンを完済すれば、家賃のような継続的な支払いがなくなり、老後の生活費を抑えることができます。壁紙を替えたり間取りを変更したりと、自由にリフォームやカスタマイズができるのも大きな魅力です。
さらに、住宅ローンを組む際には「団体信用生命保険（団信）」に加入するのが一般的で、もしローン契約者（世帯主など）が亡くなった場合、ローン残債が保険で完済され、家族にはローンのない住まいが残されます。これは、賃貸では得られない、持ち家ならではの大きな安心材料になると思います。
ほかにも住宅ローン控除などの税制優遇を受けられる点や、定住によって地域に根ざした生活が築きやすくなることも利点として挙げられます。
【持ち家のデメリット】
転勤などでライフスタイルの変化があった際には、簡単に住み替えができないという「柔軟性の低さ」が挙げられます。また、購入時には頭金や各種手続きにかかる費用が大きく、初期負担が重くなりがちです。加えて、住宅の維持管理や修繕には継続的な費用と手間がかかり、さらに固定資産税などの税金も毎年発生します。長く住み続ける中で、家族構成や暮らし方の変化に対応しにくいという側面も考慮すべき点です。
【賃貸のメリット】
ライフスタイルの変化に柔軟に対応できるという点で、多くのメリットがあります。中でも、最大の利点は「住み替えの自由度が高い」ことです。転勤・結婚・出産・子どもの進学・老後の暮らしなど、人生のステージに応じて住まいを変えやすく必要に応じて場所や広さや家賃などの条件を見直すことができます。
持ち家と違って固定資産税や大規模な修繕費を負担する必要がないため、予期せぬ出費に悩まされにくい点も魅力です。初期費用の面でも比較的ハードルが低く、頭金などの大きな資金を準備しなくてもよい点が持ち家との大きな違いです。ライフスタイルを変えたいとき、将来の見通しが立ちにくいとき、あるいは一定期間だけ住む場所が必要なときなど、柔軟でリスクの少ない選択肢となります。
