保護司が強調する地域での見守りの必要性 いまこそ必要『おせっかい』 27日には豊岡でイベントも | ラジトピ ラジオ関西トピックス

保護司が強調する地域での見守りの必要性 いまこそ必要『おせっかい』 27日には豊岡でイベントも

LINEで送る

この記事の写真を見る(4枚)

 平田オリザさん(劇作家・演出家)のラジオ番組(ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』)に、豊岡保護区保護司会会長の田中哲也さんが出演。保護司の役割と法務省が提唱する「社会を明るくする運動」について語った。

豊岡保護区保護司会会長の田中哲也さん

 田中さんは元・高校教師。当時、保護司をしていた上司から誘いがあり、「生徒指導におけるコーチングの手法を保護観察でもいかすことができれば」と引き受けたことを契機に保護司となった。

 保護司とは、犯罪や非行をした人の立ち直りを地域で支える民間のボランティア。法務大臣から委嘱された非常勤の国家公務員だが、給与はない。兵庫県には34保護区があり、約1890名の保護司がいる。

 保護司のおもな仕事として、処遇活動(保護観察と生活環境調整)と地域活動の2つがある。

 保護観察では対象者と月に2回面接して生活観察を行い、保護観察所に報告する。生活環境調整では少年院や刑務所から出所予定の人がスムーズに社会復帰できるよう、帰る先の調査や受け入れ体制を整える。犯罪や非行をした人の立ち直りをサポートし、社会復帰を一番近くで見守る存在だ。地域活動では、こうした取り組みの啓蒙や街頭広報も行う。

登校見守り活動

 豊岡市では2014年に保護司サポートセンターが開設され、保護司が常駐して活動の拠点となっている。現在、豊岡保護区の保護司は定員50名に対して49名が活動中だが、高齢化により毎年複数の保護司が退任するため、新たな人材確保が課題となっている。

 昨年度のデータによると、豊岡市では少年犯罪が増加傾向にあり、特に中高生のグループ内で大麻が広がっているという。全国統計としては、大麻は全国で6078件と9年前(2015年)の3倍となっており、これはインターネットで入手しやすくなっていることも一因だと考えられている。

 田中さんは、「こうした犯罪に手をそめる少年たちは複雑な家庭環境を持つことが多い」と指摘する。

「たとえば、両親の離婚や家庭内不和、経済的な困きゅうですね。それからもう1つは、発達障害へのサポート不足もあります。ですから、個人の問題として済ますことはできない。やはり、社会で見守っていくことが必要です」(田中さん)

LINEで送る

関連記事