「緩やかなネットワーク社会を」 豊岡市長が描く“地方創生”の青写真とは | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「緩やかなネットワーク社会を」 豊岡市長が描く“地方創生”の青写真とは

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 平田オリザさん(劇作家・演出家)のラジオ番組(ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』)に、今年5月に豊岡市長に就任した門間雄司(かどま・たけし)さんが出演。生まれ育った豊岡の魅力と市政への熱い思いを語った。

豊岡市長の門間雄司(かどま・たけし)さん

 番組冒頭、門間市長は「小さいころ、(平田さんが学長を務める)芸術文化観光専門職大学の近くにある幼稚園になっている場所がグラウンドでして、よくそこで遊んでいましてね。。7月には山王さんのお祭りがあって、縁日を楽しんだり友達と花火をしたりしたのがいい思い出です」と、生粋の“豊岡っ子”エピソードを披露。

 豊岡高校時代はテニス部で汗を流し、豊岡高校を卒業後は広島大学理学部に進学。地下水のラドン濃度検出による地震予知研究を行っていたところ、阪神・淡路大震災が起きたという。

「研究室では一定なのに、西宮の井戸はずっとデータが上がりっぱなしで。年明けにストーンと下がったので、『やっと定常になった』と思ったら地震。このときのデータを論文にまとめたところ、科学誌に掲載されました」(門間市長)

 大学院卒業後は、一般企業で公共インフラの調査設計を行う建設コンサルタントに従事。休日返上で業務にあたるなか、子どもが生まれたタイミングで「自然豊かな地元でのびのび育てたい」と考え、Uターンを決意した。

 金融機関へ再就職し、新たな側面からふるさとを見つめるなかで、またしても自然災害が起こる。2004年10月、台風23号が豊岡市を直撃し円山川と出石川が決壊。全世帯の半数が浸水するという被害に見舞われた。

「市議会を傍聴したところ、今後、決壊しないようにどうするのかという具体的な話が出ていなかった。とはいえ、何かするにしても国の基準がある。建設コンサルタントの経験もいかしながらルールを決める必要性を感じ、政治に興味を持ちました」(門間市長)

 34歳で退職し、2005年に豊岡市議会議員初当選。市議会議員を3期、兵庫県議会議員を3期務め、この度、豊岡市長に初当選した。

 門間市長が最も重視するのは、人口減少対策だ。豊岡市が直面する深刻な人口減少に対し、単なる対症療法ではなく、根本的な解決策を模索。『子育てに優しい町』を第一の政策目標に掲げ、従来の支援策を超えた包括的なアプローチを提案している。

 特に注目すべきは、芸術文化観光専門職大学との連携戦略。門間市長は、大学を地域活性化の重要な資源と捉えている。これに対し、平田さんは学生の地域定着傾向を示唆した。

「実際にこの春、第一期生61名のうち8名が豊岡市に残ることが決まり、豊岡での就職も果たしている。15パーセントという数字は、驚くべき数字として地元商工会からも高く評価されました」(平田さん)

 経済面では、単なる補助金頼みではなく、持続可能な地域経済の構築を目指す。人手不足解消のため、女性や若者の活躍の場を創出し、ジェンダーギャップの解消にも取り組む方針を示した。

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