落語家の笑福亭鉄瓶(しょうふくてい・てっぺい)。ラジオ番組にて、8月22日に自身が講師を務める「神戸市 心かよわす市民のつどい」への意気込みを語った。

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神戸市などでつくる「神戸人権啓発活動地域ネットワーク協議会」が主催する同イベントは鉄瓶による「心かよわす落語会」のほか、人権啓発の映画が上映されるなど“人権の大切さ”に触れることができる内容になっているのだとか。申し込み受付は7月10日より始まったにも関わらず、早々に定員の300人に到達し翌11日の時点でキャンセル待ちが発生。想定していたよりもずいぶん早く予約が埋まった状況に、鉄瓶自身も驚きを隠せない様子だった。
注目される要因の1つが、鉄瓶が2021年から手掛ける「ノンフィクション落語」だ。その第1弾で今回のイベントで披露する『生きた先に』は、60歳を過ぎて夜間中学に通い読み書きを学んだ男性が、最愛の妻に初めて手紙を贈るまでの実話をもとにしたもの。
モデルとなったのは、奈良県の西畑保さん。子どものころにいじめを受けて不登校となった。義務教育をほとんど受けられない不遇な時期を味わうも、人生の晩年に学び直し思いを綴ったラブレターを贈ったという。そのエピソードを、鉄瓶が約30分の落語に落とし込んだ。この西畑さんの実話は、今年3月に公開された映画『35年目のラブレター』の原案にもなった。鉄瓶さんの師匠・笑福亭鶴瓶さんが主演をつとめた同作品は、興行収入10億円を突破するなど話題に。鉄瓶さんも同作に出演したが「弟子の頑張りを師匠が根こそぎ取った(笑)」とユーモアを交えて語る。
自身の琴線に触れたエピソードをはじめ、「世間の人々に伝えたいと感じる生き方をしている人にスポットライトを当てる」ことで生まれてきたノンフィクション落語の作品たち。「毎年1作品ずつ作ってきたノンフィクション落語が、今回の講演参加へとつながったのでは」と鉄瓶。

鉄瓶が手がけるノンフィクション落語は、これまでに全4作。『生きた先に』に続き、娘のために高校3年間お弁当を作り続けた父を描いた『パパ弁~父と娘をつなぐ1095日~』、120人以上の更生に尽くした元・保護司の女性を描く『華麗なる保護司さん』、コロナ禍で“会って話すこと”の意味を問い直す『廃線コミュニケーション』だ。
いずれも実在の人物の人生を描いており、これらはフォーカスされた人物に鉄瓶自身が直に会い行った丁寧な取材から生まれたものだという。
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映画やドラマへの出演も果たし、落語界のみならず活躍の場を広げている笑福亭鉄瓶。そんな気鋭の落語家の講演が聴ける「神戸市 心かよわす市民のつどい」に注目が寄せられている。

※キャンセル待ちへの応募など、イベントの詳細は神戸市公式イベントサイト「おでかけKOBE」に掲載
◆「心かよわす市民のつどい」
日時 2025年8月22日(金)13:30開場/14:00開演
会場 長田区文化センター別館 ピフレホール
内容 映画上映『あなたのいる庭』、笑福亭鉄瓶「心かよわす落語会」(古典落語1席+ノンフィクション落語『生きた先に』)
参加:無料(事前申込制・先着順。但し、受付は現時点でキャンセル待ちの状態)
【「市民のつどい 人権講演会 笑福亭鉄瓶氏「生きた先に」HP(おでかけKOBE)】





