味ぽんに売上大差つけられ低迷もV字回復見せた「ぽん酢」 きっかけとなった“新しい使い方”とは? | ラジトピ ラジオ関西トピックス

味ぽんに売上大差つけられ低迷もV字回復見せた「ぽん酢」 きっかけとなった“新しい使い方”とは?

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 さっぱりとしたものが食べたい時に使う調味料と言えばポン酢。各メーカーから多種多様に販売されていますが、昔からおなじみなのは「ミツカンの味ぽん」という人も多いのでは? 

 ある日、味ぽんを切らした筆者がスーパーへ向かうとミツカン商品で「ぽん酢」と書かれた黄色の液体を発見しました。気になり調べてみると、今密かに話題になっているのだとか。

ぽん酢(提供:株式会社 Mizkan)

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 製造元のミツカンによると、ぽん酢は味ぽんの“先輩”とのこと。かんきつ果汁に醸造酢を加えたシンプルな味わいで、鍋料理や湯豆腐・フライ・餃子など何にでも合うそうです。「ぽん酢の誕生は1960年。味ぽんが1964年に発売されたので、4年ほど先に登場していました」と話します。

ぽん酢に好みの調味料を加えてオリジナルのつけダレを作る人も(提供:株式会社 Mizkan)

 この“弟分”の味ぽんがクセモノで、なんと強力なライバルとなってしまいます。リリース当初は人気を博したぽん酢は、はじめから醤油風味が加わった味ぽんの手軽さにおされ、兄弟製品ながら一時は200倍もの売上差がついたことも。

味ぽん(提供:株式会社 Mizkan)

 しかし令和の現在において、ぽん酢が再び注目を浴びつつあります。その理由は「ぽん酢サワー」にあると同社。

「5年ほど前から当社が取り組んでいるドリンクです。ぽん酢をお酒の割り材として使うことで、さっぱりした味わいになり、ファン数を伸ばしています」(ミツカン)

ぽん酢サワーで再び注目!(提供:株式会社 Mizkan)

 サワーの登場以来、ぽん酢の売り上げはV字回復。味ぽんとの売り上げ差も、約150倍に縮まってきていると同社は説明。

「ぽん酢を割り材として使うという発想に、社内からは驚きの声が多く上がりました。実際に飲んでみると、かんきつ果汁と醸造酢のさわやかな味と香りがお酒との相性抜群。今ではぽん酢サワーを“推す”社員が多く『ぽん酢サワー広め隊』もあるほどです」(ミツカン)

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 調味料として長年根強いファンが存在するミツカンのぽん酢。割り材という新しい使い方をされることで、カスタマーに新たな価値を示すこととなりました。このように、昔ながらのアイテムも視点を変えてみるとおもしろい発見ができるのかもしれません。

(取材・文=濱田象太郎)

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