平田オリザさん(劇作家・演出家)のラジオ番組(ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』)に、豊岡市但東地域集落支援員の桑垣徹さんが出演。移住の経緯と関係人口を増やすための取り組みについて語った。
大阪に生まれ、東京で音楽関係の仕事に従事していた桑垣さんが、突如、地方創生の最前線に立ったきっかけは父親の死だった。
月に1〜2度、生家がある兵庫県豊岡市但東町に掃除に通ううちに、自然環境や集落の温かいコミュニティにひかれていった。2020年、コロナ禍に見舞われた際、ふと東京での生活を見つめ直した。
「家族も東京で暮らしているので、定年まで東京で仕事するのも良かったんですが、『その前に何かできへんかな』と思いはじめたんですよね」(桑垣さん)
2023年秋に会社を退職。翌年5月から正式に但東町へと移住した。
但東町はかつて、丹後ちりめんの産地として栄えた歴史がある。現在は人口減少に直面しているが、「何もない、けど、何でもある」ところに無限の可能性を見出している。
現在は、空き家対策と移住・定住促進にフォーカスして活動している。地域の課題をヒアリングしながら、“人を呼ぶ仕組みづくり”に奔走している。ここに至るまで、集落に住む多くの住民や市役所職員とも会話を重ねた。桑垣さんは、このように語る。
「マーケティングと事業計画がしっかりしていれば、ある程度のことができると思うんですけど、田舎は一筋縄ではいかない。豊岡市は移住促進に力を入れていますし、地域おこし協力隊の皆さんも『任期を終えても残りたい』という方が多い。そうなると、仕事の創出ですよね。あとは関わってくれる人をどう増やしていくか」(桑垣さん)
そこで実験的にはじめたのが、夏季限定で実施する山奥のカフェプロジェクト。但東町奥赤の“志水柿の湧水”を活用し、かき氷やドリンクを提供。地域の子どもたちや帰省した家族らが集える場所づくりを目指している。

今夏は、8月の土日(午前11時〜午後3時※17日を除く)に開催予定だ。





