大阪・関西万博のため来日したチェコ共和国のペトル・パヴェル大統領が7月24日、会場・夢洲のチェコパビリオンでラジオ関西などの取材に応じ、「国際的に紛争が相次ぐ中で開催される万博がグローバルな観点で発する平和へのメッセージや理念をもっと理解しなければいけない」と語った。

パヴェル大統領は7月23日、世界遺産・姫路城(兵庫県姫路市)で、チェコの世界遺産・プラハ城との「姉妹城」提携の締結式に出席。
その後、広島を訪れ、原爆ドームなどを視察。 原爆ドームを設計したのはチェコ人の建築家、ヤン・レツル。1915年に広島県物産陳列館として完成した。
パヴェル大統領は慰霊碑に参拝し、原爆資料館を見学した。そして、「原爆ドームは立ち直ろうとする力、国民の強さの象徴でもある。核戦争という狂気の罠(わな)に陥らないよう、広島の姿を見て過去から教訓を学ばねばならない」とコメント、日本滞在最終日の7月25日には東京に移動し、天皇陛下と会談した。

チェコの大統領が日本を訪れたのは、2007年と2008年のヴァーツラフ・クラウス氏が最後で、初代チェコ大統領ヴァーツラフ・ハヴェル氏は1995年12月に訪問している。

24日、大阪・関西万博でのナショナルデーでチェコが披露した文化プログラムは、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団のクラシック音楽とサーカス、アクロバットの融合、そこに少年少女の合唱(チェコ放送児童合唱団)が加わった独自の世界を披露した。


パヴェル大統領は「日本でのチェコの印象は、画家、音楽、建築…今回は異なる観点でチェコを表現したかった。 スメタナやドヴォルザークに代表されるチェコの音楽に現代風のパフォーマンスを織り交ぜた」と話した。






