昨年(2024年)、ノーベル平和賞を受賞した日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)の代表理事・金本弘さん(80)らが12日、大阪・関西万博の会場で講演し、改めて核兵器の廃絶を訴えた。
大阪・関西万博では8月、「平和と人権ウィーク」と題したプログラム「アジェンダ2025」を展開。
金本さんと同じく広島で被爆した近藤紘子さん、国連の軍縮担当事務次長・中満泉さんらによるトークセッションが繰り広げられた。
生後9か月で広島の爆心地から2.5キロ地点で被爆した金本さんは、「何とか生き延びたが、亡くなった人を助けられなかった」という苦しみにさいなまれたという。
11 人きょうだいのうち、当時12歳の姉の千代子さんも被爆し、左半身にケロイドが残った。千代子さんは肝臓がん、肺がんを患い、透析を続けて86歳で亡くなった。「私の娘時代を償ってほしい」という最期の言葉が忘れられないという。
そして、「広島、長崎に落とされた原爆で犠牲になったのは計21万人。絶滅だけを目的にした核兵器は、人間として絶対に認めることができない」と訴えた。

世界で続く対立と分断。核の恐怖におびえ、進まぬ軍縮に危機感を示す金本さんは、「被爆者の平均年齢は86歳になった。私はその中で最年少になる。今は本当に平和なのか問いかける日々、あと20年若ければもっといろいろな活動ができると思う。差し迫っている」と話した。







