「カタチにするチカラ~デザインと現場の交差点~」(2)コシノジュンコと建設業界 新3Kの提案 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「カタチにするチカラ~デザインと現場の交差点~」(2)コシノジュンコと建設業界 新3Kの提案

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 世界的デザイナー・コシノジュンコが、建設現場のワークウェアをデザイン、クレーン車も! その背景には、人との出会いがあった。建設現場で働く人々、それを支える企業。そこにデザインが加われば新たなカタチに、そしてチカラになる。コシノさんのデザインに対する思いなど、番組で語られたエピソードを再構成した。中編は「コシノジュンコと建築業界」。

■コシノジュンコと建設業界

 建設業界というと、かつては3K(きつい、汚い、危険・暗い)と言われてきた。そんな業界とデザイナー・コシノジュンコさんが関わりを深めている。

 大阪・大東市に拠点を置く株式会社ハマテック。誰もが一度は目にしたことがあるクレーン車や、関連会社ハマックスでは足場を扱うなど建設現場をクリエイトする会社で、「現場のデザインに『ハマっていく』ハマテックです」と、代表取締役の濱中朋弘さんは笑う。

 そしてもう一社。企業ユニフォームやワークウェアの製造販売を行う株式会社たまゆら。「火を使う仕事、水を使う仕事などそれぞれに合わせていろいろなユニフォームを提案するのが仕事」と代表取締役の岡本哲さんは胸を張る。

左から: 株式会社ハマテック・濱中朋弘さん、コシノジュンコさん、株式会社たまゆら・岡本哲さん
左から、株式会社ハマテック・濱中朋弘さん、コシノジュンコさん、株式会社たまゆら・岡本哲さん 

 この2人との出会いについてコシノさんは「どこでだったかしら?あまりにも自然だった」と振り返る。岡本さんはコシノさんになかなか会えない時もあるが、「会うと昔からの知り合いのよう」に話ができる関係だという。それほどまでに良好な関係が築かれているのだろう。最初に出会ったのは岡本さん。2年ほど前のことだ。コシノさん曰く、「一緒に仕事をするとなると、馬が合う人でなければならない。合わない人に仕事を頼まれても、なかなかうまくいかない」そうだ。つまり、まず人ありきだ。その上で「ものを繋ぐ役割。自然なものと人工のものを繋ぐ役割としてデザイナーがいる」。

コシノジュンコさん
コシノジュンコさん

 コシノさんは株式会社たまゆらがプロデュースするワークウェアをデザインした。「たまゆらは作業着の会社。作業着というと泥だらけのイメージがあり、一般の人には関係ないと思われてしまいがちだが、ここで働くのも人間。楽しく仕事をする方がいい。その上で子どもがあこがれるようなイメージにつながるといい」とコシノさん。手掛けた「Mr. JUNKO WORK WEAR」は余計なものはそぎ落としながら、細部にわたってこだわりを見せる機能的なウェアだ。まさにシンプル・イズ・ベスト。コシノさんも「ワークウェアというかすごいおしゃれ着」と自信を見せる。老若男女みんながかっこよく着られることが大事で、番組のナビゲーターをつとめたタケモトコウジも、この日、密かに着用していた。

Mr.JUNKO WORK WEAR
Mr.JUNKO WORK WEAR
Mr.JUNKO WORK WEAR
Mr.JUNKO WORK WEAR

Mr.JUNKO WORK WEAR
Mr.JUNKO WORK WEAR
Mr.JUNKO WORK WEAR
Mr.JUNKO WORK WEAR

「Mr. JUNKO WORK WEAR」は半期で1万点以上売れた。猛暑となったこの夏、熱中症対策のファンがついた「サイコーにカッコイイ(コシノさん談)」ウェアもリリースしたが、ほぼ売り切れた。

 この成功の影には妥協のないやり取りがあった。

株式会社たまゆら 代表取締役 岡本哲さん
株式会社たまゆら 代表取締役 岡本哲さん

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