ステージや舞台で多くの人から注目される「アイドル」。その魅力を際立たせるメイクはどのような工夫がされ、一般的なものとどう違うのでしょうか? ヘアメイクアーティスト兼アイドル事務所取締役の山中めぐみさんに聞きました。

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両メイクの違いを山中さんは次のように説明。
【アイドルメイク】
・会場照明下や、遠距離で見られることを意識した作り込みをする
・空間の規模に合わせて「映える」メイクを施す
【一般的なメイク】
・自然光下や近距離で見られることを想定した作り込みをする
・「自分らしさ」を表現するメイクを施す
アイドルにメイクをするときは可愛さ・美しさはもとより、清楚さ・華やかさも表現するようにしていると語る山中さん。「アイメイクでは、まつ毛1本1本まで丁寧に、繊細なメイクをしていきます。照明も計算に入れており、ラメづかいには気をつけています。キラキラして可愛いですが、光が当たると反射しすぎるので……」とのこと。
筆者が長年気になっていることも聞いてみました。それは「なぜアイドルはメイクが崩れないのか」ということ。激しいダンスで滝汗をかいても“崩れ知らず”のメイクテクニックに興味がある人も多いのでは。
「マストなのは、しっかりとべ一スを整えること。スキンケアはもちろん、下地やファンデーションを塗る前に肌を化粧水でパッティングして冷やすことも重要です。仕上げにメイクキープミストを使うこともポイントです。このミストを化粧下地を仕込む前に使うと、汗や皮脂によるメイク崩れを防ぐ効果も」(山中さん)

“アイドル風”なメイクにしたい場合のコツ3点を教えてもらいました。
【1】アイドルっぽさを目指しすぎた「涙袋の描きすぎ」や「濃すぎるアイライン」はNG。
【2】美肌を意識しすぎた「ファンデーションの厚塗り」はNG。かえって不自然になる。
【3】ファンデーションは首まで馴染ませる。顔だけをトーンアップすると首がくすんで見えるため、結果的に全体の印象が微妙なものに。

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ステージで輝くアイドル達のメイクには、繊細な技が詰まっていることが分かりました。
(取材・文=迫田ヒロミ)
※ラジオ関西『Clip』2025年8月20日放送回より




