女性研究者の道拓く 韓国ミュージカルの傑作「マリー・キュリー」 新たな2人のマリーを迎え再演決定 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

女性研究者の道拓く 韓国ミュージカルの傑作「マリー・キュリー」 新たな2人のマリーを迎え再演決定

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 19世紀のヨーロッパで、ラジウムを発見し、女性として初めてノーベル賞を受賞した科学者・マリー・キュリーこと、マリア・スクウォドフスカ=キュリー。まだ科学が男性のものとされていた時代に、彼女がどのようにして女性研究者の道を開いたのか、その情熱と苦悩、信念を描くミュージカル「マリー・キュリー」が、この秋、新たなキャストを迎え、東京と大阪で上演される。大阪・関西万博・ポーランドパビリオンで、主演を務める昆夏美さんと星風まどかさん(Wキャスト)らが意気込みを語った。

左から:演出・鈴木裕美さん マリー・キュリー役・昆夏美さん 星風まどかさん 2025年日本国際博覧会ポーランド政府副代表・マルタ・ジェリンスカさん (※2025年8月25日 大阪・関西万博 ポーランドパビリオンでの取材会で)
左から:演出・鈴木裕美さん マリー・キュリー役・昆夏美さん 星風まどかさん 2025年日本国際博覧会ポーランド政府副代表・マルタ・ジェリンスカさん 

 マリア・スクウォドフスカ=キュリーは、ポーランドが生んだ世界的科学者で、女性として初めてノーベル賞を受賞し、かつ「化学賞」「物理学賞」と異なる2分野で受賞した。母国・ポーランドでは「大変な時代に生まれて、人生の中で様々な障害と戦わなければならなかったが、女性でもできることを証明した人。大事な存在です」と、2025年日本国際博覧会ポーランド政府副代表のマルタ・ジェリンスカさんは言う。

 ミュージカル「マリー・キュリー」は2020年に韓国で初めて上演された。Fact(歴史的事実)とFiction(虚構)を織り交ぜたファクション・ミュージカルとして、科学者・マリー・キュリーとその生涯に関わった人達との愛、友情、苦悩、ゆるぎない信念を描き、韓国ミュージカルの傑作といわれる。

 日本での初演は2023年。日本版の演出を手掛ける鈴木裕美さんは、韓国版台本の創作部分を、「ありえたかもしれないもう一人のマリー・キュリーの物語」として捉え、繊細な人物描写が大きな感動をもたらした。今回、「気持ちを新たに、新たな人達とマリー・キュリーを創っていきたい」と、新たな2人のマリーを誕生させる。

 マリーを演じるのは、日本を代表するミュージカル女優・昆夏美さんと宝塚歌劇団・宙組・花組でトップ娘役をつとめた星風まどかさん(Wキャスト)。会見には「マリー・キュリー」の衣装で登壇した。

 昆さんは、「台本を読んで、マリアの信念を強く感じた。当時の女性で、新しいものを発見しなければならないという、想像もつかないほどの大きな壁を越えていった。その内なる強さを秘めていることを核として役作りをしていきたい」と話し、星風さんは「私が今生きている中で、女性だからということは経験したことはない。諦めないということは難しいこと。その先に見える彼女のストーリーを感じてもらえれば」と語った。

マリー・キュリーを演じる 昆夏美さん(左)と星風まどかさん
マリー・キュリーを演じる 昆夏美さん(左)と星風まどかさん

 演出を手掛ける鈴木さんは、「史実に忠実というより、史実を基にしたフィクションという感じ。マリアが親友や夫とともに命を削って研究に打ち込む姿をみて、力をもらったり励まされたりする人もいるのではないか」と話した。その上で、「私たちの多くはキュリー夫人という名前を知っていて、伝記を読んだ人も多いと思う。今回のミュージカルは彼女の『マリア・スクウォドフスカ=キュリー』という名前がタイトルになっていることが、ある意味すべてだと思う。彼女は彼女として生きた。生きる様は、今を生きる女性たちの力になりえる」と話した。

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