【サウジアラビア】国民の大半が裕福って本当?「石油王」「お金持ち」と言われる理由を調べてみた | ラジトピ ラジオ関西トピックス

【サウジアラビア】国民の大半が裕福って本当?「石油王」「お金持ち」と言われる理由を調べてみた

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 10月13日まで開催の「大阪・関西万博」。会場内には158の国と地域、7つの国際機関が参加しておりパビリオン(展示館)を通して世界各国の文化や歴史を知ることができます。今回は「石油王」のイメージが強いサウジアラビアに注目してみました。

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 今回の万博において、サウジアラビア館は2番目の広さを誇ります。広々としたパビリオンには本物のサウジ産石材を使用されており、同国の町並みを再現したデザインが特徴的です。館内にはサウジアラビアのアーティストの生演奏や映像が流ており、期間中は音楽・演劇・ダンス・映画など、700以上のイベントが連日開催されています。

サウジアラビアを代表する町並みのひとつ(イメージ)

 さて、同国をはじめとしリッチなイメージが強い中東の国々。実際のところ、そのような人々は存在するのでしょうか?  中東事情に詳しい、ドバイ総合研究所の新川さんによると「国内には王族が数千人の規模で存在します。彼らの大半は石油を管理する国有企業の幹部を務め、かなりの収入を得ているとされています」とのこと。

サウジアラビアでは大富豪の「石油王」がするというイメージがあるがはたして……?(イメージ)

 驚くべきことに、そもそもサウジアラビア国民の多くが裕福なのだそう。新川さんいわく、「一般人でも公務員やサービス業などに従事しある程度の収入を得ている上に、オイルマネーによる充実した福祉を享受しています。国民の平均月収は40万円ほど。食料品は輸入にほぼ頼っているため若干食費が高くなるようですが、燃料代が安かったり住宅補助などもあるおかげで、日本よりも平均の手取り収入は多いかもしれません」と、まるで夢のような話です。

 しかしながら「すべての人が当てはまるわけではない」とのこと。というのも、サウジアラビア人口の40%ほどが「非サウジアラビア国籍」。要するに移民が多く、インド・パキスタン・バングラデシュなどを中心とした南アジアや東南アジアからやって来ているのだとか。彼らは建設などの分野に従事し、平均月収は15万円ほどだといいます。

 なぜ「サウジアラビアはリッチ」というイメージが定着したのでしょうか?

「主な理由としては、産油国としての印象が強いことが原因かと思います。日本のテレビ番組では、中東と言えば『石油でリッチな地域』として紹介されがち。ビジネスの文脈でも『サウジアラムコ(世界最大の石油企業)』の話題が出ます。また、最近までサウジアラビアでは観光目的での入国がかなり制限されていたため、内情があまり他国に伝わらなかったようです」(新川さん)

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 同国パビリオンでは、未来に向けての取り組みなども紹介しています。「サウジアラビア=石油」と思い込んでいる人は、一度訪れてみるといいかもしれません。

(取材・文=つちだ四郎)

ユネスコ世界遺産・アルウラの旧市街(イメージ)

【取材協力】ドバイ総合研究所
公式サイト

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