“鉄っちゃんアナ”としても親しまれる鉄道通のフリーアナウンサー・羽川英樹さんのラジトピコラム「羽川英樹の出発進行!」。今回、羽川アナがレポートするのは、神戸の人工島・六甲アイランドへの鉄道アクセス、六甲ライナーです。
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JR神戸線と接続する『住吉』と六甲アイランドの『マリンパーク』の4.5kmを結ぶ六甲ライナーは、すべて神戸市東灘区内を走ります。正式には「神戸新交通・六甲アイランド線」といい、神戸市の外郭団体がポートライナー(三宮~神戸空港)とともに運営する自動無人運転の路線です。
開業は1990年。六甲アイランドはポートアイランドと同じく、山を切り崩した残土で海を埋め立て、そこに住宅地や港湾・物流施設をつくるという神戸市のお家芸で誕生した人工島です。現在は約2万人が暮らしていますが、今回はこの六甲アイランドとを結ぶ唯一の鉄道とその沿線風景をリポートします。

起点はJR神戸線(快速停車駅)と接続する『住吉』。六甲ライナーは昼間でも6分おき、朝夕は3分おきの頻発運転で、一日平均7万6千人を運んでいます。2018年から導入された4両編成の3000形は、フェラーリやE6系新幹線を手掛けたデザイナー・奥山清行さんが「船」をイメージして設計したものです。
『住吉』を出て、最初に驚くのが、六甲ライナー車内の乗客側の窓ガラスの変化。通常は外が見えているんですが、ある区間にさしかかかるとスモークがかかるんです。
これは沿線の間近にマンションがあり、住民のプライバシーを守るための心憎い措置なんです。日本板硝子の瞬間でくもる特殊ガラスが使われており、近接したマンションを過ぎると、また普通の窓に戻って景色が眺められるようになっています。

住吉川沿いに南下して阪神電車(特急停車駅)と接続する『魚崎』に到着。連絡通路の下を阪神や山陽電車の車両が通り過ぎていきます。


この魚崎あたりには灘の酒蔵がいくつも点在します。また近くには文豪・谷崎潤一郎の住まいであり「細雪」の舞台にもなった谷崎潤一郎旧邸「倚松庵(いしょうあん)」があり、土日祝は無料で見学もできます。





