映画「国宝」のロケ地がある豊岡市 コウノトリを通じた交流も活発に 市長就任から4か月半 門間市長

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 兵庫県豊岡市の門間雄司(かどま・たけし)市長が、このほど、ラジオ関西の生放送に出演し、市長に就任して約4か月半の思いや市の魅力などについて語った。

豊岡市の市政や魅力について語る、門間雄司豊岡市長(ラジオ関西スタジオにて)
豊岡市の市政や魅力について語る、門間雄司豊岡市長(ラジオ関西スタジオにて)

 兵庫県の北東部に位置する豊岡市は、2005(平成17)年に1市5町(旧豊岡市、城崎町、但東町、出石町、日高町、竹野町)が合併して誕生し、今年は市政20周年。面積は県内で最も広い約700平方キロメートルで東京23区の面積に相当し、そこに約7万2千人が暮らしている。門間市長は「広いからこそ、地域資源の宝庫。観光で訪れる人も多く、スキーや温泉、カニ、但馬牛など、春夏秋冬いつでも楽しめる」と微笑んだ。

 また、市内の見どころのひとつとして、映画『国宝』のロケ地となった出石町にある芝居小屋『出石永楽館』を紹介。俳優の吉沢亮さんや横浜流星さんらが、楽屋シーンのほか、舞台では『二人藤娘』などの演目を撮影し、話題となっている。「聖地巡りということで多くのファンが訪れ、見学者は(映画公開前の)7倍から8倍」と、反響の大きさを口にした。

豊岡市出石町にある芝居小屋『出石永楽館』(画僧提供:豊岡市)
豊岡市出石町にある芝居小屋『出石永楽館』(画僧提供:豊岡市)

 門間市長は、豊岡市議会議員(3期)、兵庫県議会議員(3期)を経て、4月の豊岡市長選挙で初当選。就任から4か月半を振り返り「コウノトリ(国の特別天然記念物)や演劇を使ったまちづくりなど、これまで培ってきた地域資源で、観光などをもっと磨いていって地域を元気にしたい」と語った。

大空を舞う、国の特別天然記念物・コウノトリ(画像提供:豊岡市)
大空を舞う、国の特別天然記念物・コウノトリ(画像提供:豊岡市)

 このうち、コウノトリの野生復帰に関しては「最初の放鳥から20年で500羽を超えた。環境と経済が共鳴するまちとして取り組みを進めており、経済に好影響を出すためにもう一工夫、二工夫必要」と力を込めた。コウノトリを通じた交流も活発で、豊岡市の取り組みを学んで野生復帰に取り組む韓国の禮山(イエサン)郡では、初めての放鳥から10年をむかえた。9月と10月に、市の幹部らが互いに行き来してシンポジウムを開く(豊岡市では10月19日開催)。

人工の巣塔に巣を作り、子育てをするコウノトリ(画像提供:豊岡市)
人工の巣塔に巣を作り、子育てをするコウノトリ(画像提供:豊岡市)
コウノトリの野生復帰への取り組みとして、初めての放鳥から20年が経過。県内外で姿を見られるようになった(画像提供:豊岡市)
コウノトリの野生復帰への取り組みとして、初めての放鳥から20年が経過。県内外で姿を見られるようになった(画像提供:豊岡市)

 豊岡市では、人口減少が「加速している」という。昨年度、豊岡市で生まれた子どもの数は355人で、合併前の半分となった。「人口減少が予測以上に進んでいる。子育てに優しいまちづくりのためには、経済も強くないといけない」とした上で、「奨学金の返済支援制度の創設を議会で審議している。卒業後に豊岡に帰ってきたら、奨学金の負担を感じず働ける環境を整えたい」と語った。そのほかの子育て支援策も拡充を検討しているといい「財源とのバランスをとりながら、できることは1期目に全て盛り込みたい」と力を込めた。

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