打楽器のひとつとして親しまれている「カスタネット」。赤と青の印象的なカラーリングがおなじみですが、実はこれって日本だけなのだとか。何気に驚いた筆者は、その理由を日本カスタネット協会会長・真貝裕司さんに聞きました。
☆☆☆☆
●カスタネットの発祥
そもそもカスタネットはスペインで産まれました。フラメンコを踊る際に指を細かく動かして鳴らす、同国では伝統的な楽器です。

●名前の由来
スペイン語で「栗」を意味するカスターニャから来ています。なぜ栗とされたのかは、「栗の木を加工して作っていた」「形が栗に似ている」など諸説あるとのこと。

●日本では当初「ミハルス」と呼ばれていた!?
日本の舞踊家「千葉みはる」さんにより考案されたのが“日本版カスタネット”。スペインのように高度なテクニックを必要とせず、子どもが演奏しやすいようにカスタムされたのだとか。この時付けられた名称が「ミハルス」で、千葉さんの名に由来しています。
●赤青のツートーンカラーの理由
プラス白桜社(※)によってミハルスをアップデートしたものが、現在のカスタネット。同社創業の1950年(昭和25年)は第1次ベビーブームを迎えていたということもあり、カスタネットを工場で大量生産していたそう。この時のカスタネットは、女の子は「赤」・男の子は「青」と別々のカラーで作られていたとのこと。しかしながら、色分けしての製造は数合わせや在庫管理面が非常に困難だったため、打開策として2つの色を合体させて作るようになったのが“赤青ツートーン”の理由だとか。
※……日本のカスタネット製造を一手に手がけていた。現在の名は「カスタネット工房」

☆☆☆☆
「なんでこの色なの?」と思うモノはカスタネットの他にも色々あります。気になる人は、調べてみるとおもしろい事実に出会えるかもしれません。
(取材・文=堀田将生)





