2021年に世界文化遺産に登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」を中心に、遺跡から出土した国宝・重要文化財を含む土偶や装飾品を集め、縄文人の姿や暮らしに迫る特別展「世界遺産 縄文」が京都文化博物館(京都市中京区)で開かれている。2025年11月30日(日)まで。

縄文時代は、狩猟、漁ろう、採集を中心に食料を得て、定住化が始まり、約16,000年前から約2,400年前まで1万年以上に渡って安定した生活様式が続いた。これまでの発掘調査で、土器や石器のほか、当時の暮らしがわかる様々なものが見つかっている。


世界文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」の地域には、日本最大級の縄文遺跡である特別史跡・三内丸山遺跡(青森市)や、特別史跡・大湯環状列石をはじめ多くの遺跡がある。今展では、縄文時代の「一万年」、縄文人の「一生」、縄文の「一年」という3つの時間軸をキーワードに、遺跡から出土した土偶や装飾品を中心に紹介し、人々がどのような暮らしをしていたのかを考える。


また、会場には遮光器土偶5体のほか、国宝の土偶も展示される(国宝土偶は10月21日~31日の展示なし)。正面からだけでなく、様々な角度から見られるようになっており、同館の山崎頼人・学芸担当係長は「写真ではわからない姿をいろいろな角度から見てほしい」と話す。遮光器土偶とは、目に相当する部分が、雪の反射光を防ぐために北方民族が使った道具のようにみえるもの。東北の各地で同じような形のものが発見されており、このことから東北の縄文人たちは土偶の作り方や精神性を共有していたのではないかと考えられるという。





