兵庫県姫路市北部・安富。冷涼な気候と豊かな自然が特徴の同地区は、柚子(ゆず)の産地として知られています。農事組合法人安富ゆず組合・代表理事の横野正雄さんと、理事の中塚泉さんに話を聞きました。
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「もとは水田だったこの場所で『何か育てよう』ということで地域の農家2、3人が協力して柚子の栽培が始まった」と横野さん。1991年頃に始まった取り組みは栽培・加工・販売まで一貫した組合体制を築き、地域ブランド「安富ゆず」を支えてきました。
現在の組合員数はおよそ50名とのことですが、直面している問題があります。それは「高齢化」「後継者不足」です。11月頃に収穫期を迎えると、人を雇い1日に500キログラムほどを収穫するそうです。とはいえ、そこに至るまでには苗の育成や枝の剪定・病害虫対策など、専門知識を必要とする作業が多くあります。
「ゆずの木は3メートルほどにもなるので、高齢者が作業するには多くの危険をともなう。専門知識を得てもらうための講習会を開いているものの、そもそも人材を確保するのが難しいですね」。横野さんはこの状況を市にも相談。定年退職者の参入を模索していますが、担い手の確保は容易ではないのだとか。
さて、地域の拠点となるのが「ゆず工房」です。ここでは約30種類のゆず関連食品を製造しています。横野さんは「加工品の開発や販売拡大は、後継者育成と収益確保の両面で欠かせない取り組み」と明かします。

来たる11月16日には「ゆず祭り」が開催されます。会場では収穫体験やポン酢作りのワークショップ、スタンプラリーなどを予定。若者グループ「しるべ」や山崎高校の生徒たちも参加し、地域全体でゆずの魅力を発信します。中塚さんは「このイベントをきっかけに、ゆずを作ってみたいという人が現れたらうれしい」と話し、取材を締めくくりました。

(取材・文=洲崎春花)
※ラジオ関西「ヒメトピ558」2025年10月31日、11月7日放送分より



