日本の暦「二十四節気(にじゅうしせっき)」には、自然とともに暮らしてきた先人の知恵が息づいています。今回取り上げるのは、冬の訪れを告げる「立冬(りっとう)」と、雪がちらつきはじめる「小雪(しょうせつ)」です。
播磨国総社射楯兵主神社(兵庫県姫路市)祭務部の尾崎祐彦さん(※崎は「たつさき」)に、これからの季節を健やかに過ごすヒントを聞きました。

【立冬(11月7日~21日ごろ)】
漢字の通り、“冬が立つ”――つまり冬のはじまりを意味します。朝晩の冷え込みが増し、昼間の日差しがやわらかくなる時期。北国からは初雪の便りが届き、まちではコート姿が目立ちはじめます。
播磨国総社射楯兵主神社のある姫路市では、「立冬の日の入りが午後5時2分。日が短くなったことを実感するころでもあります」と、尾崎さん。この時期は、暖房器具の点検や衣替えなど、冬支度を整えるのにぴったりの節目だそうです。

【小雪(11月22日~12月6日ごろ)】
小雪は、“まだ本格的な雪ではなく、小さく舞いはじめるころ”を表す言葉です。平年並みの気候なら、紅葉が終わりを迎え、木々は冬枯れの装いへ。初霜や初氷がみられ、地域によっては平野部でも初雪が観測されます。渡り鳥が南へ向かう姿や吐く息の白さからも、冬の訪れを肌で感じられるでしょう。
尾崎さんによると、姫路では小雪のころの日の入りが1年で最も早く、午後4時49分になるそうです。この時期を境に、冬至を経て少しずつ日が長くなっていきます。季節の巡りのリズムを感じることで、忙しい日常のなかにも自然の穏やかなリズムを取り戻せそうです。





