日本における「除夜の鐘」のように、1年を締めくくり新たな年を迎えるためにおこなわれる行事や風習は他国にも存在します。なかでも、南米のエクアドルではユーモアたっぷりなのだとか。ツアー企画会社「ガラカミーノス・トラベル」の担当者に、同国の年末事情を聞きました。

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エクアドルでポピュラーな年末の風習といえば「モニゴテ」。古い服や段ボールなどで作られたモゴニテと呼ばれる人形を燃やす風習だとか。この意味について担当者は「モニゴテを燃やした火の上を飛び越えることで厄を落とし、来年の幸運を願います」と話します。そのため、年末シーズンは街中で大人・子ども問わずジャンプする様子を見ることができるとか。この時期は街中のショップに政治家やサッカー選手・映画キャラクター・社会風刺をテーマにしたものなど、さまざまなモニゴテが登場。小型のものなら5ドル(約780円)程度、大型のものは100ドル(約1万5800円)以上と幅広い価格が並ぶとか。もちろん自作する人も多いそうです。エクアドル最大の都市・グアヤキルでは巨大なモニゴテのコンテストまで開催され、その展示を楽しみにしている人も多く、担当者いわく「日本のねぶた祭に近いイメージです」とのこと。
どこで燃やすかというと、一般的なのは自宅前の道路や近所の空き地など屋外の開けた場所。ですが、最近は都市部の一部公道での焼却は禁止されているため敷地内で行われることが多いとのこと。家族や親戚だけでなく友人グループや同僚などとも楽しむため、大晦日が近くなると昼休みや仕事終わりなどに職場の同僚と会社近くの空き地に集まるといいます。

また「狂った未亡人」という風習も有名だとか。かなりパンチのあるネーミングですが、どういったものなのでしょうか。担当者によると「若い男性がカラフルなカツラや化粧を施した女装をし、『夫が死んでしまった!』『あんたその女誰よ!』などといった寸劇を路上で演技しながら、通行人や車からチップをもらうパフォーマンス」とのこと。
その起源は「子どもや女性が街路を封鎖して新年の施しを求めていた」「去り行く年を『夫』と見立てていた」などされていますが、現在は本来の意味よりも、楽しく遊び集めたチップでみんなで飲んで盛り上がる……といった意味合いが強くなっているようです。「勝手に道に関所を作るため、一部では大渋滞が発生することも。ですがこの日ばかりは警察も目をつぶります。ユーモアあふれる年末の恒例イベントとして多くの人に親しまれており、エクアドルにおける『笑いおさめ』といったところでしょうか」と担当者は解説。

ほかにも「大晦日にはカラのスーツケースを持ち家の周りを歩く」というならわしも。このように遊び心に満ちた風習を年末におこなうことで、笑顔あふれる新年を迎えようという国民性なのかもしれません。
(取材・文=つちだ四郎)

【取材協力】ガラカミーノス・トラベル
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