「冬の自然を、もっと身近に感じてほしい」。そんな思いから、兵庫県香美町で来年(2026年)1月、地元高校生が中心となって企画したスノーシューハイキングが行われる。舞台は、標高1039メートルの瀞川山(とろかわやま)。兵庫県立村岡高校の生徒たちが、香美町教育委員会と連携しながら内容を練り上げた。
スノーシューは、靴の上から装着して雪の上を歩く道具で、深雪でも沈みにくいのが特徴。生徒の一人は「スキーやスノーボードでは進みにくい場所でも、スノーシューなら自分の足と同じ感覚で歩けます。思ったより軽くて、初心者でも挑戦しやすいです」と魅力を語る。
コースは、兎和野(うわの)高原野外教育センターを出発し、瀞川山の山頂を目指す往復約12.4キロ。高低差は488メートルあるが、スタッフを前方・中間・後方に配置し、5~10分ごとに先頭を交代しながら、全員でゆっくり進む計画だ。「冬山は不安に感じる人も多いと思うので、安全面を一番に考えました」と生徒は話す。
また、「香美町は本当に景色がいい。山頂だけでなく、途中でもしっかり景色を楽しんでほしい」と、休憩場所も生徒たちで設定。「景色だけじゃなく、なにかおもてなしもできれば」と、企画を練っているそう。さらに、同地では運が良ければ、動物の足跡に出会えることもあるという。
生徒たちはこのたび、約3時間かけて神戸を訪れ、ラジオ番組にも出演し、自らイベントをPR。「冬の一番寒い時期は雪質が良く、山頂からの景色は絶景です。写真映えもしますし、普段なかなか見られない冬の自然を体験できます」と参加を呼びかけた。

スノーシューハイキングの開催日は2026年1月31日(土)。定員は50人で、中学生以上が対象(中学生は保護者同伴)。申し込みは専用ホームで受け付けている。参加費は2000円で、スノーシューやポールのレンタル料、保険料などが含まれる。天候や積雪状況によっては中止となる場合がある。
「このイベントは、僕たち生徒が考えたものがたくさん詰まっています。多くの人に参加してもらい、香美町の冬の魅力を知ってもらえたらうれしい」。高校生たちの思いが詰まった冬山イベントとなりそうだ。
イベントの詳細は、香美町の公式ホームページに掲載されている。問い合わせは、香美町教育委員会生涯学習課、電話0796-94-0101まで。





