兵庫県赤穂市に広がる赤穂海浜公園。1987年の開園以来、多くの人々が自然やレジャーを楽しむ場として親しまれてきた広域公園です。この公園をめぐって、2025年4月から新たな指定管理制度が導入され、5社による共同運営の体制がスタートしました。長期にわたる運営の枠組みと、多様なプレイヤーの関わり方を探ることが、地域のこれからを考えるヒントとなっています。

同公園は兵庫県が管理する県立都市公園で、これまでは1社による指定管理で維持・運営が行われていました。ですが2024年に県が公募を実施。2025年4月からは公益財団法人・建設・飲食・イベント運営など各業種の企業5社で構成された共同事業体が指定管理者として選定され、それぞれ得意分野を活かしながら役割を分担しています。指定管理期間は通常の5年を大きく超える20年だとか。
この長期指定管理制度は、民間活力を取り入れつつ「施設整備から運営まで一体的に戦略的な公園全体のマネジメントを進める」ことを目的としたものです。20年という期間設定は全国的にも珍しく、短期的な成果だけではなく、時間をかけてゆっくりと公園全体の魅力を高めていく視点が置かれています。
2025年10月には「赤穂シーサイドパークグランピング」として、新たな宿泊体験を提供する施設がオープンし、従来のキャンプ利用層に加えて、幅広い利用ニーズに応える構成が始まっています。責任者である金丸泰彦さんは、「グループ会社の遊園地運営や食関連企業の参画など、既存の地域資源や知見を活かした連携が進んでいる」と語ります。

このように、民間各社が専門性を持ち寄ることで、単独企業の頑張りに依存するのではなく、地域全体を巻き込んだ公園運営の形が模索されています。これは、これまで「知ってはいるけれど実際に利用したことはない」といった地域住民にとっても、公園への関心を新たにする契機になる可能性をはらんでいるのかもしれません。
広大な自然と多様な遊び場を備えている同公園。その魅力向上をめざし県が「段階投資型長期指定管理」を導入した背景には、民間の知見と地域資源を組み合わせ“持続可能な運営体制”を築くねらいがあるといいます。複数の担い手が関わることで、今後どのように公園の風景を変えていくのか……その過程そのものが地域に開かれた公共空間のあり方を考える手がかりになりそうです。

(取材・文=洲崎春花)
※ラジオ関西「谷五郎の笑って暮らそう」2025年12月14放送分より





