大河ドラマで注目される「竹田城」 なぜ“虎臥城”と呼ばれる? 石垣に“ハート”?【兵庫・朝来市】

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 兵庫県のほぼ中央に位置する朝来市は、2005年に旧生野町・和田山町・山東町・朝来町の4町が合併して誕生。時代を超えて受け継がれてきた歴史資産が点在し、中山間地ならではの雄大な自然を感じられるまちとしても知られています。

 同市を代表する名所といえば、国史跡「竹田城跡」。年明けから放送が開始されたNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』の主人公である豊臣秀吉と秀長は、この竹田城に深い縁があるといいます。また、雲海に包まれる幻想的な風景が見ることができ、“天空の城”として全国的にも注目を集めていますが、実はほかにも別名や見どころが存在しているのだとか。詳しい話を朝来市役所観光交流課の担当者に聞きました。

雲海に包まれる竹田城跡(画像提供:兵庫県朝来市)

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 竹田城は、室町時代の1431年に当時但馬を支配していた山名持豊(宗全)によって築城されたとされています。自然の地形を巧みに活かした縄張りは山城の中でも特に優れた設計とされ、城郭研究者の間でも高く評価されているとか。

 さて冒頭にも挙げたように同史跡は数々の別名を持ち、「天空の城」「日本のマチュピチュ」などはよく耳にするフレーズです。ですが、今回筆者が注目したのは「虎臥城」という呼び名。このように称される理由を担当者は次のように答えています。

「竹田城跡がある古城山は、向かいにある金梨山から眺めると“虎が臥しているように見える”ということから虎臥城と付けられたと聞きます。当時はどの城にも『強い動物』『象徴的な存在』を冠することが多かったようです」。ちなみに、1903年に作られた竹田小学校の校歌には「虎ふす山に年ふりて」という一節があり、虎臥城という名は地域の文化・歴史に深く根付いていることが分かります。

まるで虎が臥しているように見える?(画像提供:兵庫県朝来市)

 担当者が推す見どころのひとつが、伝統的な古式穴太積み(あのうづみ)で構築された石垣。400年以上経過した今も変わらず保たれており、使用されている石が城郭に比べると非常に大きいことが特徴だそう。重機の無い時代にこれだけの巨石を運び積み上げたという証がこの石垣であり、じっと見上げると当時の高度な土木技術や膨大な労力がひしひしと伝わってきます。

 担当者によると、膨大な数の石の中にはひとつだけハートの形をしたものがあり、密かに人気を呼んでいるとか。さらに、南二の丸には巨大な「鏡石」が。これは魔除けや邪気払いの意味を持つとされる一方、大きな石を用いることで権力や威信を誇示する役割もあったのではと考えられているとのことです。

石垣にひそむハート型の石(画像提供:兵庫県朝来市)
巨大な鏡石(画像提供:兵庫県朝来市)

「竹田城跡に少しでも心を動かされた方は、実際に現地を訪れていただきたいです。雲海に包まれる幻想的な姿だけでなく、季節や時間帯によって表情を変える景観、石垣に刻まれた歴史の重みを感じてもらえれば」と担当者はコメントし、インタビューをしめくくりました。

美しい石垣が連なる南千畳(画像提供:兵庫県朝来市)

(取材・文=長塚花佳)

※ラジオ関西『Clip』水曜日 2026年1月14日放送回より

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