新型コロナウイルスに感染した患者を安全に運ぶことができるように、様々な感染防止対策が施された特別な車両5台を、兵庫トヨタグループが兵庫県に無償で貸し出す。
貸し出すのは、「エスクァイア」や「ノア」などのミニバンタイプで、運転席・助手席と後ろの座席の間に隙間なくビニールシートを取り付けるなど、車内の感染リスクを減らすための特別な仕様になっている。また、エアコンの風の強さを調節し、車内の空気の流れを前から後ろへの一方通行にすることで、後部座席に乗せている患者とドライバーが物理的に接触しない仕組み。
宝塚、伊丹、加古川、龍野の健康保険事務所、ならびに兵庫県の本庁で使用される予定で、貸与期間は25日から3か月間。県内の感染状況によっては延長される場合もある。
25日、兵庫県庁(神戸市中央区)で車両の提供式があり、井戸敏三知事から兵庫トヨタグループへ感謝状が贈られた。兵庫トヨタ自動車の瀧川高章社長が、「ひとりでも多くの患者様がスムーズに移動でき、一日も早く、元の生活に戻られる一助になればと思います」と話すと、井戸知事は、「(感染症の拡大が収束に向かうという意味では)この車両は活躍しないのが一番だが、第二波、第三波の到来にきちんと備えなければならない。適切な移送手段として活用します」と応じた。