なぜ今? 学校給食で親しまれた米「どんとこい」が姿を消す理由  次を見据えた選択 兵庫・三田

LINEで送る

この記事の写真を見る(3枚)

 兵庫県の南東部に位置する三田市。北から東にかけて標高600メートルほどの山々が連立し、南東部には美しい田園風景や計画的に開発されたニュータウンが広がっています。

 米作がさかんで生産エリアは市内の約1200ヘクタール。これは甲子園およそ311個分の広さに相当します。ですが、一筋縄ではいかないケースも発生しているのだとか。詳しい話を三田市役所農業振興課の担当者に話を聞きました。

たわわに実る三田米(画像提供:三田市)

☆☆☆☆

 日本では弥生時代から定着した稲作。三田市ではいつから行われるようになったのでしょうか。担当者によると「明確なデータは残っていない」とのことですが、一説によると三田の九鬼家の殿様が江戸時代に江戸への年貢として三田米を納めていたとか。そのおいしさゆえ厳しい年貢米の取り立てがあり、昭和の初めには天皇へ献上もされていたようです。また、「三田米は良質な米」として明治中期に広く知られていたという記録も残っています。

三田市の街並み(画像提供:三田市)

 同市では 「コシヒカリ」をはじめ 「ヒノヒカリ」「山田錦」などさまざまな米が作られていますが、中でも筆者が注目したのが「どんとこい」という米。1983年に新潟県の上越市で交配し、1985年に雑種第4代で優れた種子を選別し育成された品種です。ちょっぴり個性的な品種名については、国の主導により開発された品種のため詳細は定かではない……とした上で、「消費者が望む“米の旨さ”をどっしりと受け止め、その通りの信頼感を表してくれるという期待を込めて名付けられたとされています」と担当者。市内の約114ヘクタールで作付けされているそうで(2025年度現在)、粒が大きく甘みがあり学校給食にも採用されています。ですが、今年いっぱいで終了となる予定なのだとか。

 その理由は昨今の温暖化によるもので、「2027年度以降は温暖化に対応した品種に切り替えます」と担当者は回答しました。

三田の稲作の様子(画像提供:三田市)

☆☆☆☆

 学校給食で子どもたちに親しまれた米が無くなってしまうのは少し残念ですが、「引き続き同市の農業の基幹作物である三田米の良さを多くの人に知ってもらうことで消費拡大を図り地産地消の推進を目指したい」と担当者は力強く語り、インタビューを締めくくりました。

(取材・文=長塚花佳)

※ラジオ関西『Clip』水曜日 2026年1月28日放送回より

LINEで送る

Clip (1) | ラジオ関西 | 2026/01/28/水 13:00-14:00

放送後1週間聴取可能、エリア内無料 radikoプレミアム会員はエリア外聴取可

関連記事