神戸の老舗鳥料理店、品質守る経営判断 「避けられない」値上げと長く働ける職場づくり

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 130年以上の歴史を持つ神戸の老舗鳥料理店が、物価高の影響で値上げを迫られる中、人材と品質を軸にした経営判断を続けている。

 1892(明治25)年創業の老舗鳥料理店「鳥光」(神戸市須磨区)は、須磨本店のほか、三宮や尼崎にも店舗を構える。鶏料理を中心に、鴨鍋やキジ鍋なども提供しており、創業当時は京都・円山公園で野鳥を焼いていたという歴史を持つ。代表の真田益充さんは、「店の成り立ちそのものが、今のメニューにもつながっている」と話す。

株式会社鳥光(神戸市須磨区)、代表取締役社長の真田益充さん
株式会社鳥光の代表取締役社長・真田益充さん

 コロナ禍では来店客が大きく減少したが、現在は徐々に回復。一方で、原材料費の高騰や人手不足といった課題は続いており、特に昨年は対応に追われた1年だったという。

 こうした中でも、同店は安易なコスト削減には踏み切らなかった。QRコード注文など省人化の手法も検討対象にはなったが、導入は見送った。

 真田さんは「人の手による接客を大切にしたい」という。その背景として、勤続20年、30年のベテランスタッフが多く在籍している点を挙げる。

「長く働ける職場づくりこそが、良い商品とサービスを生む」。そうした考えから、職場環境の維持を経営の中心に据えてきた。

 値上げについても、「人件費や原材料費を考えれば、避けられない判断だった」と率直に語る。その上で、「価格を上げること自体が目的ではない。有能な人材を確保し、老舗としての品質を守り続けるための選択だ」と強調する。

 飲食業の経験よりも、勤勉さや姿勢に重点を置く、同社の採用方針。真田さんは「老舗の味や精神を次の世代につないでいきたい」と話し、人材確保の重要性を強調した。

株式会社鳥光(神戸市須磨区)、代表取締役社長の真田益充さん(写真右)、ラジオ関西パーソナリティの三上公也氏
株式会社鳥光の代表取締役社長・真田益充さん(右)、ラジオ関西パーソナリティーの三上公也氏

※ラジオ関西『三上公也の朝は恋人』より


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