兵庫県小野市は新型コロナウイルス禍で収入減に苦しむ市内の飲食店を応援しようと、代金先払いのクーポン券を発行し、市職員に国の給付金10万円の中から購入を要請するキャンペーンに取り組んだ。その名も「らっきゃらっきゃ券」。5月20日に申し込みを締め切り、売り上げ約1200万円が間もなく各店に分配されて届く。
参加呼び掛けに応じた34店を対象にしたクーポン券は、千円券3枚を束にした3千円分と、5千円券の2種類ある。市職員は5月18日から3日間の申込受付期間中、クーポン券を使う店を選んで1人3万円を目安に購入した。小野市議会議員、小野商工会議所職員にも購入を呼び掛けた。
例えば3万円分を購入した職員のケース。あるお店に対し3千円の束を5束、別の2店にそれぞれ5千円券を1枚と2枚購入した。市は売上を店ごとに集計し、小野商工会議所を通じて口座に振り込む一方、それに相当するクーポン券に店の印を押してもらったうえで、購入者に手渡す仕組み。有効期限は来年(2021年)5月末だ。
クーポン券の名称は「らっきゃらっきゃ券」。旧兵庫県多可郡黒田庄町(現西脇市)時代の黒田庄町商工会青年部がまとめた「黒田庄の方言番付表」によると、東の張出横綱に「らっきゃ」とあり、「大丈夫」と意味が記されている。クーポン券には、売り上げが落ち込んだ飲食店を地域みんなで励まそうという思いが伝わってくる。「らっきゃらっきゃ」、すなわち「大丈夫、大丈夫。心配無用」と。
売上金は早ければ5月27日にも申込額に沿って各店に届ける。販売開始から送金まで10日間というタイトなスケジュールだが、小野市産業創造課では「急を要することなのでスピードが大切。いま困っている人たちの応援金となるよう一刻も早く届けたい」と話している。
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