宝塚市の住宅で家族ら4人がボーガン(洋弓銃)で撃たれ3人が殺害された事件で、この家に住み伯母への殺人未遂の現行犯で逮捕された無職の男(23)について、兵庫県警・宝塚署捜査本部が死亡した母親と弟、祖母への殺人容疑で再逮捕する方針を固めた。勾留期限の25日に再逮捕する。
今回の再逮捕で、捜査本部は殺傷された4人全員について立件することになる。
捜査関係者によると、男は「家族を殺すつもりだった」と供述し「最初に祖母(75)を撃ち、弟(22)、伯母(45)、母親(47)の順に襲った」と説明したという。 撃った矢は5本。このうち伯母以外はいずれも頭に矢が刺さり、 祖母、母親、弟はほぼ同時刻に即死したとみられる。 男は室内の狭い場所で3人をそれぞれ不意打ちする形で撃ったとみられ、 至近距離から順番に襲った疑いがある。
事件に使われたボーガンは外国製で長さが約70センチの大型。殺傷能力が高いという。男がことしに入りインターネットで購入したことも判明。矢が頭や首に集中していることから、強い殺意を持って襲撃したとみられる。
現在入院中の伯母は首に傷を負い、話すことも苦痛な状態。容態の回復を待ち、当時の状況を聴くなど本格的な捜査や取り調べはこれからだが、複数の知人が男について「ひきこもりがちだった」と証言している。男は学費を滞納し、神戸市内の大学を除籍されていたことも逮捕されるまで知らされていなかったことなど、社会生活や家族関係で孤立していた可能性があり、今後、犯行動機の解明のうえでポイントとなる。