2020年7月4日、待ちに待ったサッカー・J1リーグ戦の再開の日。ヴィッセル神戸の試合が、2月23日のJ1第1節以来、ノエビアスタジアム神戸(ノエスタ)に戻ってきた。その第2節、サンフレッチェ広島戦での『リモートマッチ』の取材レポート、第1回は、スタジアム入場前の様子を届ける。
新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、7月9日までの試合は『リモートマッチ』対応となったJリーグ。いわゆる、無観客試合になる。それは、ファン・サポーターだけでなく、来賓、スポンサー、選手や関係者の家族も来場できない厳しい制限付き。メディアは取材が許されるとはいえ、記者は1社1人のみ(1試合最大25人)。アンドレス・イニエスタというビッグネームがいることもあり、多いときは記者だけで100人を越すこともあるなか(テレビクルーを入れるとさらにその数は増えるが)、そのうちの1枠で入ることができたのは、貴重なこと。責任の重大さをひしひしと感じながら、ノエスタでの取材に赴くことになった。
スタジアムに向かう道中、いつもならスタジアムに近づくにつれて、クリムゾンレッドのユニフォームを着たサポーターの姿を見て、「いよいよ試合だな」とテンションが上がってくるもの。だけど、その光景はない。ノエスタに着いても、そばの芝生広場で、地域の方が数人、身体を動かす姿が見られる程度だった。
だがしかし、それは、先にリーグから発表された『Jリーグ 新型コロナウイルス感染症対応ガイドライン』に基づき、「スタジアムまたはその周辺に来場しない」というファン・サポーターへの案内を、しっかり守った証拠といえよう。密を作らない、ここからコロナ感染を出さないという思いだろうか、しっかり我慢したヴィッセルサポーター、広島サポーター含め、Jサポーターには敬意を表したい。
メディアの入場が許されたのは、試合開始1時間前から。入場時には体温チェック、消毒、そして、2週間分の体温測定結果、体調確認を記した問診票を提出。受付にはサーモグラフィが置かれ、限られたクラブスタッフが対応し、なるべく密にならない、接触を行わないような配慮がなされていた。体温チェックを無事通過し、スタジアム入り。いつもはメインスタンドの観客の入場口となっているところが、この日は記者の導線に。当然、コンコースは誰もいない。でも、場内からは聞いたことのある音がもれ、試合への雰囲気が高まってきていた。
≪(2)へつづく≫
(前田敏勝)
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