JR三ノ宮駅前で今年4月に起きた神戸市営バスの死傷事故で、過失運転致死傷の罪に問われた運転手の男(65)に対し、神戸地裁が30日に禁錮3年6か月の実刑判決を言い渡したのを受け、亡くなった20歳代の男女2人の遺族は「あまりに軽い。納得できない」とコメントした。
判決で神戸地裁は「安全運転を期待される市バス運転手であるにも関わらず、赤信号で止まるという基本的な注意を怠り、近年の交通事故に対する国民の刑罰感情に照らしても実刑はやむを得ない」と指摘した。
しかしこの判決に、それぞれの遺族は代理人を通じ「実刑判決と聞いてほっとしたが、あまりに軽い。何年か経って交通事故が減ったと息子に報告したい」、「娘は帰ってこず、判決に納得できない。被告には実刑判決の意味を十分に考えてもらいたい」と訴えた。
被告の弁護人によると、本人には控訴の意思がなく「若い2人の人生が奪われたことへの重みを感じている」という。