まもなくお正月を迎えるというこれからの時期、お餅は食卓に欠かせない。そのなかで、今、注目したいのが、12月と1月の2か月限定生産の「赤穂みかん餅」だ。製造を営む前川農産の前川勇人さんに話を聞いた。
脱サラして就農、そして、6次産業へシフト。餅のつき具合、塩加減など、何も分からないゼロからのスタート。それでも、2015年には黒豆餅が「西播磨フードセレクション」で特別賞を受賞する。そんな前川さんが開発に3年を費やしたのが「みかん餅」だ。米農家の前川さんと地元みかん農家がコラボして、「同じ収穫時期の新米とミカンで何か赤穂の新名産品を作りたい」という思いから開発に着手した。
最初はうまく混ざり合わず、餅にさえならなかったり、餅になったとしても、天敵ともいえるみかんの持つ水分に悩まされたという。そういった苦労の末に、2016年に商品化に成功した「みかん餅」は、着色料を使わず、優しい風味と色合いで、みかんが存在感を放っている。甘めの味わいはスイーツとしてもおすすめだ。
可能な限り地元の食材にこだわり、ワン&オンリーな商品作りを心掛ける前川さんは、新商品の開発にも意欲的。今後はヨモギを栽培して新たな商品化を目指している。
また、地元農家だけでなく漁師とも協力し、多くの人に赤穂に遊びに来てもらう動機付けに取り組んでいる。消費者の食を豊かにしたい……。前川さんの挑戦はまだまだ続く。
◆「赤穂みかん餅」
5枚入り450円程度
【販売場所】
・JA兵庫西の直売所「旬彩蔵 赤穂店」
・坂越にある海鮮料理「くいどうらく」内のお土産屋さん「おうみや」
・道の駅 あいおい白龍城
・スーパーカワベ相生店
※前川農産では、西播磨フードセレクションに選ばれた「黒豆餅」、赤穂の天塩入り「赤穂塩餅」など全9種類を製造
※問い合わせ 前川農産 電話0791-48-7212