姫路文学館で今、企画展「生誕120年記念 俳人・永田耕衣展」が行われています。
永田耕衣は、加古川市出身の俳人で90歳を過ぎても果敢に俳句を作り続けました。今回の企画展では作品や俳句を詠む際に使用した「句帳」と呼ばれるノートや、彼の認めた書画、大切にしていた骨董品や古美術品などを通して、独自の俳句世界と97年の豊かな生涯が紹介されています。
永田耕衣は、師匠につかず、さまざまな俳句雑誌に作品を投稿するなど、作法や常識にとらわれない人物でした。人呼んで「俳壇の渡りもの」。後に自身で「浮気三昧」だったと表現するほど自由奔放な俳句の道を歩んだようです。
俳句というと「吟行」といって旅に出て作品を詠む方が多いイメージがありませんか。しかし、永田耕衣は机の上で俳句を作る方でした。
永田耕衣は『泥ん』という作品で詩歌文学館賞を受賞しました。このなかの俳句から
「大晩春 泥ん泥泥 どろ泥ん」
こちらは、語感がよくて思わず口に出したくなるリズムですよね。『泥ん』へ寄せられた称賛の声を受けて、永田耕衣はさらにこんな句を詠みました。
「白牡丹やな 俺(わい)死んだんと違うんやな」
関西弁の俳句というのも珍しいですよね。