◆きっかけは1杯のコーヒー
――賢さんがコーヒーに魅了されたのはいつごろなんですか。
今から10年前くらいですかね。もともとは商社で働いていましたが、お客さんと対面する商売に憧れ、脱サラして喫茶店を始めました。といっても、コーヒーは全く飲んだ経験がなくて……。僕は商社の駐在員として10年間アメリカに滞在していましたが、在米中、スターバックスには3回しか行っていませんでした。しかもその3回とも注文したのはコーヒーではないです。当初、新長田の方で喫茶店を行っていましたが、当時は、今ほどコーヒーの知識はなかったですね。
――ではなぜ「コーヒーそのもの」の魅力にハマっていったのでしょう?
当時ちょうど今と同じような感じで新型インフルエンザが流行っていて、なかなかお客さんに来てもらうことができませんでした。これがきっかけでもっとコーヒーを売らなければと思い、コーヒーの勉強を始めるようになりました。いろいろと勉強しているうちに1杯のコーヒーに出会って、エチオピア野生森林の原生種なのですが、「こんなにおいしいコーヒーがあるのか」と感動しました。「自分ももっとコーヒーを極めてみたいな」と決意するきっかけとなった1杯です。
◆勉強のためにわざと悪い豆を仕入れる? 資格取得の苦労を語る
――賢さんはコーヒーに関する資格をたくさん持ってらっしゃいますが、1番苦労したことはなんですか?
持っている資格は全部で6つ。国内で代表的なものにSCAJ日本スペシャルティコーヒー協会が認定する「コーヒーマイスター」や、それよりさらに1ランク上の資格に「アドバンスド・コーヒーマイスター」というのがあります。特に国際的なコーヒー鑑定士資格である「Q(アラビカ)グレーダー」の資格には苦労しましたね。コーヒー豆の現地に行ってコーヒー生産者をチェックし、生の豆の状態から焙煎した後まで味をチェックして点数をつけることができる資格です。これがすごく難しくて、全部で20項目以上の試験があるんですよ。これを1週間かけて受験するので、頭がおかしくなりそうでした(笑)。
受験した当時、ストレートでの合格率は2割から3割くらいで、2500人から3000人ぐらいしかその資格を持っている人はいませんでした。頑張って一生懸命勉強しましたね。受験会場も、今は東京と神戸の2か所ですが、当時の日本は神戸会場の1か所だけで。全国からコーヒーの専門家になりたい人が集まる試験です。
KARIN COFFEE LAB ROASTERS
営業時間 11:00~19:30
定休日 不定休
アクセス 阪急「王子公園駅」東口下車。徒歩4分
住所 神戸市灘区水道筋6丁目3-3-104
電話番号 078-778-398
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