――かなり難しい試験なのですね。
はい。最初受験したとき、最後の最後の科目で落ちてしまって……。生の豆をチェックするのは今までやったことがなかったんですよ。半年後に再受験することになってしまいました。落ちてからの6か月間は、業者に頼んで、あえて悪い豆ばかりを持ってきてもらって勉強しました。「これは腐っている豆」「これは虫食いの豆」とかそういうものを半年間かけて学び直して、おかげで半年後の受験は晴れて合格することができました。ただ、3年に1回は資格の更新(試験)もあるから大変です。私は今までに2回更新しています。来年は3回目の更新試験があるので、また頑張らないといけませんね。
――もう3回目ですから余裕なんじゃないですか?(笑)
いえいえ、そんな、みんなビクビクしていますよ(笑)。
――ゆっくり時間を掛けてコーヒーに詳しくなってきたわけですね。抽出や焙煎など、いろいろな分野にお詳しいんですよね。
最初は抽出を頑張っていました。お湯や蒸気でおいしいコーヒーを立てる行程です。でも、なかなか思うようにいかなくて。いろんな人にコツを聞きにいったりするのですが、なかなかすぐにはピンとこないんですよね。なんとか頭でおいしくいれる理屈がわかってきたところで、エスプレッソの勉強を始めたり、イタリアのミラノまで飛んで試験を受けたりもしましたね。すると今度は「豆から自分で味を作り上げたい!」という意欲が強くなってきて、焙煎の道に進んでいきました。ああでもない、こうでもない、と迷いながら自分なりの商品を探していました。こういう風に、どんどん自分が関わって手をいれるものが増えてきました。
◆「1杯のコーヒー」との再会
――コーヒーを突き詰めるなかで、良かったことなどはありますか。
あるとき、海外でとあるコーヒー品評会に審査員として誘われたんですよ。これがきっかけで2018年にエチオピアのジャングルに行くことができました。4年前、僕がコーヒーを志すきっかけとなった「あのコーヒー」の産地です。4年の歳月をかけて、今度は僕がその土地のコーヒーを審査する立場になったわけです。感動を覚えたというか、感無量でしたね。
――なるほど、それは貴重な経験ですね。それでは、最後にリスナーに一言お願いします!
KARIN COFFEE LAB ROASTERS
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定休日 不定休
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