関西の世界遺産、相次いで拝観中止に「苦渋の決断」新型コロナ影響  

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 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、関西の世界遺産の寺院が相次いで拝観停止を決めた。

 東寺(教王護国寺・京都市南区)は22日から当面、金堂や講堂といった境内の建造物の拝観を中止する。

東寺・五重塔
東寺・五重塔 25日からの特別拝観は中止

■「弘法市」のにぎわいもなく

 25日から予定していた国宝・五重塔の特別拝観も取りやめる。4月21日の空海入定の日「正御影供(しょうみえく)」に伴う法要は僧侶のみで行い、21日の月命日に多くの人でにぎわう縁日・弘法市は中止に。

 東寺の三浦文良・総務部長は「苦渋の決断でしたが、まさに大切な人の命を守るためにも弘法市と拝観の中止に踏み切りました。人のいない境内ですが、一日も早い疫病の終息と亡くなられた方々の菩提を祈ります」と話した。

延暦寺・大講堂
延暦寺・大講堂

 比叡山延暦寺(大津市)は国宝の根本中堂や文化財を保管する国宝殿など山上のすべての伽藍と、延暦寺が管理する山麓の滋賀院門跡など坂本地域の寺院が拝観停止の対象となる。

延暦寺 国宝・根本中堂(改修中)
延暦寺 国宝・根本中堂(改修中)

■明治期以来、行事も中止に

 延暦寺では、6月4日・最澄の命日に合わせて営まれる法要「長講会(じょうごうえ)」の中止も決めた。長講会では、毎年8月に琵琶湖畔の東南寺で営まれる「戸津説法」の説法師が指名されるが、今年は戸津説法も中止に。戸津説法の中止はコレラが流行した1877(明治10)年以来、143年ぶり。

 東寺と延暦寺は国家の安泰を願う密教の儀式「御修法(みしほ)」が毎年営まれることで知られる。いずれもこれまでに台風の被害で一時的に閉鎖することはあったが、長期の拝観停止は異例。

■姫路城や東大寺も

 なお、姫路城(姫路市)は4月9日~5月10日まで休城し、隣接する好古園・姫路市立動物園も休園。東大寺(奈良市)は4月24日~5月31日まで大仏殿の内部の拝観を停止する。

姫路城
姫路城は4月9日から休城

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